2013年9月6日金曜日

ギター妄想その2:Lace SensorタイプのBlackieが欲しぃ~

「普通の」Stratocasterが欲しいなんて言っておいて、舌の根も乾かないウチにまた変な妄想を

今回もBlackieがらみです。2000年以前は、Eric Claptonのギター“Blackie”は(現在付いているFender Vintage Noiseless PUではなく) Lace Sensor (Gold) PUが搭載されていました。このPUはNoiseless PUとまた違う音がします。

Lace Sensor (Gold) PU。
ポールピースの出ていない外見です。

DVD「Eric Clapton & Friends Live 1986」から。
ポールピースの無いBlackie(色はTorino Redだけど)を弾いています。
この他、もう1本、PewterのBlackieも使っています(DVDジャケはPewterのBlackie)。

手元がアップになった絵。ポールピースが無いことがハッキリと判ります。
にしても。PUセレクタを見ると、Clapton師匠、ハーフトーンが大好きですよね。
僕も師匠に「なりきる」時はF&C PUのハーフトーンで目一杯Mid Boostかけます。

Eric Clapton & Friends Live 1986
上の絵の出処です。Phil Collinsのすげーエッジの効いたドラミングが聴けます。
BassのNathan EastがまだシグネチャーモデルでなくYAMAHAのBB-5000(5弦)を使っています。
時代を感じさせる絵と音ですが、楽しいライブ映像ですね。


さて。ここからが本論

困ったことに、このLace Sensor (Gold) PUを搭載したBlackieというのが、今はもう売られていないのです。否、中古楽器店に行けば(弾数は少ないですが)あるにはあります。でも、(オールドとかヴィンテージを好む人の意見や気持ちを否定する気は全くありませんが)、ワタシとしては、
  • 誰がどんな弾き方をしてきたか判らない(枯れるまでの弾き方でその後の鳴りが全然違う…気がする)
  • フレットが摩耗していたり、ボディ・ネック・パーツ類がやたらとヘタっている
という、どうにもよく解らないコンディションのギターに、高い金額を出す気がしないんですよね。下手したら(特に名のある大手中古楽器店では大抵)新品以上の値段が付いているのですけどね。ちゃんと弾けるようにするだけで一手間かかりそうなシロモノにあの価格。ワタシの感覚からすれば、アレはもうボッタクリ不当な価格としか思えない。まー枯れた木材(ボディ、ネック)の音が魅力!とかはソレナリに解る年齢になっちゃいましたけどね。

はてさて、そんなワケで。

新品が無いなら自分で作っちゃえ!プロジェクト始動(ホントか?)です。

素材は
  • Eric Clapton Signature Stratocaster “Blackie”(当然新品、出来れば色はTorino Red)
  • Lace Sensor Gold PU×3発に換装
といった辺りで如何かと。これで「なんちゃってLace Sensor仕様のBlackieの完成!」です。
厳密に言えば現行の(Noiseless PU仕様の)BlackieのMid Boostは、Lace Sensor PU仕様のBlackieに搭載のMid Boosterとはブースト回路がチョット違うようです(回路図にすると似ているけどね)。でも、どちらも0~25dBのブースター。

※この辺り、ネットを徘徊していたら、こんなページ(Studio 'SlowHand')を見つけました。Eric Claptonのシグネチャーモデルが出始めた頃(つまりPUがLace Sensorだった頃)にFender Japanから出たほぼ同じ仕様のギターで使われていたMid Boost回路と、現行のBlackieで使われているMid Boost回路の比較。曰く、
  • 回路構成はほぼ同じ。
  • 使ってるトランジスタが違ってたり、抵抗やコンデンサの値が違ってたりするけれども。これはトランジスタの特性に合わせてのことなのかな? それともブースト量や周波数も変えてある? そのヘンのところは不勉強で解析できてないんだけれども。
とのこと。ワタシも回路を見てみましたが、「ほぼ同じ」と思って良いのではないかと(増幅率とか周波数特性とかチョット違う気もするけど)。んで。なんか、Fender Japanから出ていたECシグネチャーに似たギターとモノホンのBlackieはPU~ブーストポッドの接続順が一部違っていた、というオチまでついています。

Fender USAのEric Claptonシグネチャーモデル“Blackie”。
Lace Sensor搭載にするんだったら、やっぱり色はTorino Redでしょ!
Pewterという選択も渋くてナカナカ良いのですが。

…って。この写真(↑)、Fender USAのサイトから引っ張って来たのですが、Clapton師匠はトレモロアーム使わないでしょ。シグネチャーモデルなんだから、せめてアーム無しの写真にして下さい(怒)。
Clapton師匠のBlackieは、トレモロアームの穴は塞いじゃっているし、トレモロのスプリングも5本バッキバキに張っていて、万が一にもトレモロが動いたりしないように木材のブロックまで挟んでいるじゃないですか。それでも敢えてハードテールのブリッジにしないでSynchronized Tremoloを残しているのは、ブリッジ下にキャビティがあり、そこに大き目の金物が入った状態での「響き」と、スプリングがバッキバキに張られた状態での「鳴り」を狙っているんだと思う。


閑話休題。
これで問題は一挙に解決だ!

…と思いましたが、問題は経済面。
  • Blackieは新品で実売価格¥200k~240kくらい。
  • Lace Sensor Gold PUは実売価格で単価¥10k~15kくらい。
全部新品で揃えるとなると、¥250k~300kの出費になります。やっぱり迂闊に手を出せるシロモノではなかったか…。それで狙った音にならなかったらマジでシャレにならない

うーん、…。

でもでもでも。

よ~く考えてみると、全部新品で揃えなくても素材は転がっているじゃあないですか!
  • Blackieは手元に1本ある(名前の通り黒いヤツが)。
  • Lace Sensor Gold PUも(一時期ふざけてMustangに載せてみたのが)2個転がっている。
…ということは、Lace Sensor Gold PUを1個だけ追加購入して、手元にあるBlackieで実験をしてみればいいんだな。これなら投資は¥10k~15k程度で済むから、まぁ道楽として許される範囲でしょう。で、コレで気に入る音を出すことが出来たら、本当に新品を1本買うかどうかはそれから考えることにする(問題の先送りとも言う)。Lace Sensor Gold PUのPUカバーのデザインが今売られている物と手元にある物でチョット違うので(手元にある奴は控えめな金文字で「Fender Lace Sensor」と書かれているだけ)、外見的にはちょっとアレになっちゃいますが、まぁ実験している間だけですし、PUカバーだけなら無印の物に変えちゃっても良いし(Mustang用のPUカバーで合うかな…? コレだけの為にMGバラして試すのもアレなのと、PUカバーはMG用の物で2個1組で¥800~1.5k程度なので、これは都内に行った時にでも、もし覚えていたらなんだけど、茶水のESPショップ辺りで調達しておくことにしよう)

な~んか、自分の大切なウェポン(ギターのことですよ)に手を加えて、ギターとしての商品価値をどんどん落としてしまっているような気もするのだけれど、Blackieは売り払うつもりは無いので(YAMAHA SG-1000に次いで長いこと弾いているし、すげー気に入っています)、商品価値なんて考えなくて良いんだけどね。というか、ガリノイズが出始めたジャックポッドを交換したり、ピックガードを交換したりしているし、ラッカー塗装が所々剥げているので、既に「商品価値」は殆ど無いのかも知れないので、心配するだけ無駄なような気もするんだな。

な~んか、妄想だけでは終わらない気がしてきたぞ。。。

いや、それでもまだ妄想の段階なので、「やってみました!」報告を本当にするのかしないのか、いつのことになるのかは現段階では何とも言えませんけど。

まぁ、実際にPU交換とかすると
  • ピックガード外して(22Fがオーバーハングしているので、ピックガードをひん曲げながらでないと外せない…って、本当はネックを外して作業するのが正しいのでしょうけど、ネックを外すとその後の調整がエラく面倒なので、毎度チョットばかり手抜き工事をしています)
  • 古いPUに繋がった箇所の半田を溶かして除去して
  • 古いPUを外して
  • 新しいPUを付けて
  • 新しく半田付けして
  • テスターで正しく結線出来ていることを確認して
  • 配線を整えて(弁当箱キャビティじゃなくて3PU+コントロール部分のキャビティとに分離していて、その間の狭い溝にうまく配線を収めなきゃいけないので結構面倒)
  • ピックガードを戻して(ここでもう1回ピックガードを撓ませて斜めに突っ込むという荒技に出る)(で、ネジを2~3箇所だけ止めた所でアンプに繋いで一度音を出して確認)
  • 適切なトルクでネジ止めをして
  • アンプから音を出しながら各PUの高さとか調整して
とか何とか、そりゃぁすんげー手間がかかります自分の時給を計算すると、最初から新しギター買っちゃった方が…ってホドでもないか(笑)。そこまで不器用ではありませんので…。で、悪くても手持ちのBlackieは元のNoiseless PUに戻す訳だから、この作業が2回。新しく(Torino Redの)Blackieをもう1本買ったとしたら、PU交換がさらにもう1回(合計で3回)。ま、現行のPUは最初からF,C,Rの区別が付くようにマーキングしておいて(たぶんマジックで色々書いたユニパックに乾燥剤と一緒に入れて暫く保管する)、各PUの高さとかは事前に測っておいて復元するだけだから、最初ほど細かい作業が必要になる訳じゃありませんけどね。で、黒いBlackieを現状復帰させる前にLace Sensor PUのデータ取りはしておくので、赤いBlackieではそのデータを見ながらの「復元作業」になる訳ですから、本当に面倒なのは最初の1回だけ、ということになりますけどね。(でも半田付けを何度もやるのは気が重いかも。ひとつ間違ったら大切なギターに焦げ目を付けてしまいかねない作業、すげー嫌な汗かくんだよね。)


以下、Blackieでガリノイズが出始めたジャックポッドを交換した時の写真です(毎度のことですが、配線の接続とか状態が後からわかるように、蓋を開けた時に配線の色とか接続状況とかメモも取っているのですが、証拠写真も「これでもか!」って位にコンデジで撮りながら作業しています)。

弦を外したBlackie。外見的にはST57とほぼ同じ仕様で、8点止めの単層のピックガードです。

ピックガードを外すと(先述の通り、ちょっと強引にやりました)、裏面はこんな感じ。
PU間を通っている配線は、蓋をする時に、次の写真(↓)の狭いキャビティに収めます。

ボディ側。3PU+コントロールの他、Mid Boosterの回路の所にもキャビティがあります。
Mid Boosterが入っている分、配線はチョット複雑になっています。
にしても汚ねぇな、このギター(苦笑)。蓋をして戻す前に当然キレイにしましたけどね。


とか考えていたら、だんだん実行するのが面倒臭くなって来ました。本当に妄想だけで終わらせておいた方が良いかも…。妄想だけだから楽しい、のかも知れません。

うーん、…。

いやいやいや。

面倒臭いことも「えいやっ!」と一旦始めてしまえばすげー楽しいんだよね。文字通り寝食を忘れる位に。そんで、作業が完了した時の達成感といったらこの上無い。狙った通りの結果が出た時はそりゃもう感涙モノです。


という訳で。

結論です。

とりあえず、Lace Sensor Gold PU×1個だけは買っておくことにします(出来ればFender製のデッドストックを。それが無ければ仕方が無いので、Lace社製の物にするしか無いけど)。連休とかで時間のある時に、気が向いたら時にでも作業出来ようにしておく、みたいな。

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