2012年3月30日金曜日

ギターは、出来れば違う種類のものを、複数本持つべき、かも。

①ギターは本気でやるならば、種類の違うものを複数本持つべき、と思います。

 1本目のギターは、たぶん腕前もあまりない時期に買うものでしょう。憧れのミュージシャンが使っているギターだったり、デザインが気に入った1本だったり、そういった理由で選ぶことが殆どだと思います。で、1本目のギターを弾いているうちは、当然、そのギターで出来ることしか出来ない訳ですよね。シングルコイルPUのギターだったら、シングルコイルPUの音しか出せませんし、ストップテイルピースのギターだったら、アーミングを使った奏法は出来ません。

勿論、自分のギターに限界があるからこそ、色々工夫もします。たとえば、アームの無いギターでアーミングのような音を出したければ、チョーキングアップした状態でピッキングしてからチョーキングダウンするとか、似た雰囲気の音を作るなどの工夫は出来るわけです。が、開放弦ハーモニクスをアームでビブラートを掛けるなど、アームの無いギターでは絶対に出来ません。(マイケル・シェンカーのようにギターのネックを反らせて…という技もありますが、ピッチの可変幅は小さいし、何よりギターに良くないですよねぇ/笑)

何を言いたいかというと、ギターが1本しか無い場合、出せる音の種類も、演奏法も、そのギターを基準にするしか無い訳です。そのギターで実現出来る音楽からもう1歩外に出ることが出来ないと思うのです。勿論、練習を積み重ねることによって、技術や知識の引き出しは増えて行きます。
でも、その引き出しの中身って、結局、その1本目のギターが準備してくれている世界観の中にしか存在しないような気がするのです。

1本目のギターで色々な世界観と言いますか、音楽観というのか、これを表現できるようになってから、2本目のギター(違う種類の物)を手にすると…。
・ネックのグリップが全然違う。
・指板のタッチが違う。
・フレットの幅・高さが違う。
・重さが違う。
・ストラップで吊った時のバランスが違う。
…なんてのは早いうちに慣れてしまうのですが。

違うギターを弾いた時にいつも感じるのが、
・出音が全然違う
のですよ。同じメーカーの同じゲージの弦を張っていても、ギターのスケール(弦の長さ)が同じでも、ボディの材質やブリッジの材質・形状で、まず生の音が違うのです。それに加えてPUの特性。同じアンプを使っていても、出音が違います。ギターの要素の何か1つだけでも違うものを弾くと、そこに広がる世界観が違うのですよね。

もっと言うと、同じタイプのギターであっても、メーカーが違ったりすると、当然世界観は違うものになります。極端なことを言えば、同じメーカーの同じ型番のギターでも、1本1本、ちょっとずつ違う世界が見えてきます。ギターの構成要素のひとつ(で最も大きい部分)、ボディとネックは木で出来ていますから、1本1本、ちょっとずつ違う個性を持っています。なので、1本のギターで出せる音が1つの面の上で実現出来ることだとすると、2本目のギターを手にした途端、1本目のギターとは違う「面」(世界観)が生まれてくるような気がします。

面白いのは、2本目のギターを弾くようになると、1本目のギターもまた世界観が変わってくることです。2本目を手にすることによって視座が変わり、1本目のギターだけが絶対基準だった時代と違って、1本目のギターで出せる音の引き出しも増える気がするのです。


②ギターヒーローも、複数が良い。

 ギターを弾くようになると、当然のことながら、プロの方々の音楽も、ギターを中心に聴くことが多くなります。面白いことに、(ヴォーカルや別の要素で聴いている音楽は別として)ギター中心に聞く音楽って、自分の持っているギターと同じ(または近い)ギターの物を多く聴くようになってしまうんですよね。

例えば私の場合、1本目がYAMAHAのSGでしたから、最初はCASIOPEAばっかり聴いていました。いや違うか…CASIOPEAばっかり聴いていたからYAMAHA SGを買ったというのが正解かも知れません。

まぁ、それはともかく(笑)。

1本目のギターがYAMAHA SGで、ハムバッカーでストップテイルピースのギターだったので(YAMAHA SGはタップでシングルコイルにも出来るが)、聴く音楽も、YAMAHA SGやGibson Les Paul、Gibson SG辺りのギターで弾かれている音源を中心に聴くようになりました。CASIOPEA(野呂一生さん)の他、高中正義さん、カルロス・サンタナさん、…。高校の頃はBOφWYが流行っていて、これも良く聴きましたが、ギターの音が全然違う。奏法も全然違う。ということで、暫くの間、布袋寅泰さんのギターは(格好良いとは思っていましたが)お手本としては聴いていませんでしたね。

2本目のギターはFernandesのZO-3だったのですが、この辺りからギター観が変わって行ったのだと思います。ZO-3もハムバッカーなのですが、YAMAHA SGとは音の種類が全然違う。(ZO-3はアンプ・スピーカー内蔵ですが)外部のアンプに繋いでも、まるきり違う音なのです。指板は平らだしネックは短いし、とても弾きやすく、この辺りから、聴く音楽も、幅が広がったような気がします。それまで野呂一生さんがギター世界の中心だったのが、本当に色々聴くようになりました。

でも、この頃はまだPUだのブリッジだのの音の違いはまだ判らなかったです。

さて。ハムバッカーのGibson SGといえば、Cream時代のEric Clapton。ここからClaptonをよく聴くようになり、時代が下って、Eric ClaptonのStoratocasterを聴くようになったのです。なので、3本目のギターはFender U.S.A.のStoratocasterでした。このギター、何かのご縁だったのでしょう。楽器屋さんで、別のタイプのギター(Gibson ES-335)を試し弾きさせて貰った時に、当時はES-335は「うーん、何か違うなぁ」と思って買うのをやめたのですが、その時たまたま目に入ったのですよね。で、ついでに? Storatocaster ST57 (Eric Clapton Signature Model、通称Blackie)の試し弾きをさせて貰ったら、ものすごく気持ち良い! 私の膝の上で、「連れて帰って」と訴えるのです。というわけで、3本目はFenderのBlackieになりました。(そのときはよく解っていませんでしたが、ネックが通常のFender STと違い、V-Shapeでエッジが薄めでYAMAHA SGにチョットだけ近いのと、指板Rもゆるく、これもYAMAHA SGに近かった為、弾きやすいと感じたのでしょう。)

このギター、衝撃でしたね。自分の出せる音の幅がもの凄く広がったのを感じました。Fender Vintage Noiseless Pickupという、通常のシングルコイルとは違うPUですが、YAMAHA SGやZO-3のハムバッカーとは全然違う音。「チャキチャキ、シャリーン」と軽快な音なのです(その後買ったMustangやTelecasterは、通常のシングルコイルPUで、Blackieよりさらに軽快な音でしたが)。
それと、ハーフポジション(PUセレクタがフロント+ミドル、またはミドル+リア)でショリショリした感じの音。これにMid-boostかけてやって(BlackieはMid-boostのアクティブ回路搭載なのです)、アンプで適度に歪ませてやると、Eric Clapton師匠そのままの音!

Blackieは(Clapton師匠はトレモロを使っていませんが)トレモロアームが付いて来たので、最初はトレモロアームも使ってみました。元々のセッティングがブリッジべた付けでスプリングも超強かったので、アーミングはあまり効かない感じでしたが、それなりに遊びました。が、その後トレモロが付いているギターを買ってから、Blackieはトレモロは再度封印。今トレモロを使っているギターは、Fender Mustang、Schecter SD-II-24-ASの2本。

閑話休題。

ギターは複数持つべきと思いますが、出来ればジャンルの違う複数の人のギタリストの音をよく聴くべし、が本章の結論です。チョット強引でしょうか。


③などと言いつつ。

 2本目のギターを買うのは、1本目を買ってから数年後で良いとも思っています。毎日30分でも1時間でも弾いていれば、腕はチョットずつ確実に上がって行きます。でも、それ以外に「熟成」があると思うのですよ。で、適度に腕も上がり、音の聴き方すなわち自分の音の出し方にある程度のビジョンが見えて来てから、2本目のギターを手にすると良いと思います。

そんな感じで。
この写真は本文内容には直接は関係ありません。(笑)


④その他

 今持っているギターの音、そのうち公開したいなー、なんて思っています。ギターはもちろん、録音機材とかもあるのだけど、Bloggerで写真以外のマルチメディアを公開できるのか等々、ちゃんと調べてからにしますね。

2012年3月29日木曜日

愛車(自転車)について…

タイトルにサイクリングと書きつつ、サイクリングのことを何も書いていなかったなぁ、と(少し前の写真ですが)ポストしておきます。


もう10年以上経つ自転車で、設計も使用コンポーネンツも古いものですが、10,000km以上一緒に走った、良き相棒です。

Gibson Custom (U.S.A.) Les Paul Custom!

 ブッとい音しまっせ! Gibson Les Paul Custom。Gibson Custom(Gibson U.S.A.本社の高級モデル専門の工房)で作られた1本で、何故かシリアル番号が若い1本です。今年になってから、清水の舞台から飛び降りちゃいました。


 塗装はホワイト、エボニー指板の黒と、パーツがゴールド+黒。どうでしょう、この外見。LP (Les Paul) Customなので、ボディ(表・裏)と指板とヘッドストックのエッジにバインディングが付いています。LP Standardより手のかかる作りになっています。ボディやネック裏、ヘッドストックも、アメリカ人の工作にしては(と言っては失礼かな?)丁寧に塗装されており、外見的にもかなり「当たりな1本」だと思っています。
 肝心の音ですが、良くも悪くもGibson LPの音です。最近のLP (LP Studio)はボディ内がくり抜かれて軽量化されているようですが、本器はソリッドそのもので、「芯の詰まった」音がします。当然、その分重いですが(4.2kg位)。あと、サスティーンが非常に長いです。LPってこんなに音伸びたっけ?みたいな。それでいて、抜けの良い音。誰が聞いても分かるLPの音、っていう音がします。もう、MarshallやVOXに繋いでガンガン弾き倒して下さい、てな音です(他にHughes & Kettnerのアンプもあるのですが、これはLPの良さがあんまり出せない気がします)。クリーンな音から、フロントPUで甘歪み、リアPUの激歪みまで、とにかく気持ち良い音のする1本です。

 セッティングはかなり攻めた状態になっていて、弦高はかなり低め。でもビビりが出ない。良く作り込まれています。ギターそのものも良く出来ていますが、プロに調整をして貰ったのも、良い音の秘訣かも。島村楽器のギター調整&リペアの専門家、ルシアー駒木さんにペグ・ナット・ピックアップ・弦高を調整してもらってあり、すんげー気持ち良く音が出るギターになっています。

 すんごく良いギターなんだけど、チョット値段が張った1本だから、フレットが減るのさえ勿体無くて、実はあまり弾き込んでいません。ギターは弾き込んでナンボということは重々承知しているのですが。。 もっと上手くなってからステージでガンガン弾いてみたい1本です。カッタウェイが付いているとは言え、手が大きくない私には、高ポジションはチョット弾きにくいですが。

 余談ですが:Fender系ギターがスレンダーな女性だとしたら、Gibson LP系はグラマーな女性という感じでしょうか。このLP、「私って凄いでしょ?」と自己主張しているような所があり、そこが結構好きだったりします(笑)。

2012年3月24日土曜日

Schecter (made in Japan)

ここ1年半位のメインギター、Schecter Guitar ResearchのSD-II-24-AS (made in Japan)です。


  キルテッド・メイプルで紫色のシースルー。ピックガードは白のパーロイド。この組み合わが何とも妖艶な感じを醸し出しています。音は良くも悪くもFloyd Rose Tremolo Systemを搭載したギターの音(ザグリが大きい分だか何だか、ソリッドボディのギターよりも軽い音がする気がする)。PUの特性としては、ガンガン歪ませて下さい、といった感じの音。外見も音も、かなりの悪女です(笑)。

音のイメージを文字にすると以下のような感じでしょうか。
  ・Gibson LP(ハムバッカー)系は「ズンズク、ズーン」と太い音
  ・Fender ST, TL(シングルコイル)系は「シャキーン、チャキーン」と軽快な音
  ・FRT搭載ギターはハムバッカーでも「ギューン、ギョーン」とチョイ軽めな音、シングルコイルではFender系に迫る音ですが、やっぱりチョット音が軽いような気がします(Fenderと比較して線が細い感じ)。シングルコイルの音は、目一杯歪ませてしまえば、Fenderだか何だか分からなくなっちゃいますが…耳が肥えた人には歪んだ音でも判別出来るのかも知れませんが。
 

 本器、PUがH/S/HでタップSWでS/S/Sにも出来、トレモロとしてFRT搭載、フレットも24Fまで、と「何でもアリ」な作りになっていますが、上述の通り、FRT独特の音です。LPやST、TLの代わりにはなりません。が、芯が抜かれたボディに重い金物(ブリッジ)を載っけたFRT特有の音がしますので、これはコレで面白いです。イメージとして、Steve VaiやJoe Satriani、Eddie Van Halenのギターの音と言えば近いかも知れません(腕前は全然伴っていませんが)。

 あと、ボルトオンネックのジョイント部はヒールが綺麗に落としてあり(これはSchecterとESPの十八番ですね)、手の大きくない私でも、高いポジションが非常に弾き易いです。フレットは最近の流行りのジャンボフレット(幅広め・高さも高め)です。弦を押さえる時に、指板に当てなくて良いので、速弾きに向いています。スキャロップ(指板をフレット間でエグってある)と同じような効果でしょう。但し、弦の押さえ方が強過ぎるとピッチが狂っちゃうので、「頑張らなきゃ抑えられないコード」をキレイに弾くのは大変です。

 ちなみに: 今、本器のFRT以外のトレモロとして、Fender MustangのDynamic TremoloとFender Storatocaster (ST)のSynchronized Tremoloが手元にあります。Dynamic Tremolo+通常のプラスチックナットの組み合わせではアームダウン/アームアップで簡単にチューニングが狂うし(Charが「暴れ馬」と言っているのも分かる気がする)、Synchronized Tremoloは可変幅が狭い。色々弾き比べてみると、FRTはこの辺りが良く考えられているなぁ、とつくづく思います。ちなみに、SchecterのギターでFloyd Rose Tremolo(FRT)の搭載されている機種って、Schecterオリジナル形状のFRTが殆どですが、本器はFRTがゴトーのオリジナルの形状で、FRT上の刻印のみSCHECTERとなっています。このゴトーのオリジナルFRTのナイフエッジ形状(ナイフエッジの片側が直線になっている)は、ピッチの安定性に非常に貢献している気がします。ブリッジとナットの両方で弦を固定してピッチ変化を最小限にする等、良く考えられているFRTですが、ゴトーのFRTはその究極の形状かも知れません。

 この他のトレモロとして気になるものに、SteinbergerのTrans TremとPaul Reed SmithのPRS Tremolo(Custom 24とかに搭載されているやつ)がありますが、一体何本ギター持てば気が済むのか、という感じなので、当面は我慢しています。いい年してPRS SE(廉価版)なんて恥ずかしいし、かといってSEじゃないPRSはン十万円コースだし。Steinbergerは…こちらも手が出せません(涙)。