2016年11月23日水曜日

読書? 毒書?

今日は寒い祝日でした。明日11/24(木)は首都圏で大雪という予報です(都心で積雪すれば観測史上初だとか…色々と影響が出そうなので、準備と用心が必要かも知れません)。今日、床屋さんの若旦那が前の休み(理髪店は月曜定休が多いですね)にスタッドレス・タイヤに履き替えるつもりだったところ、ビールの誘惑(笑)に負けてしまったので、急遽、今晩寒空の下で履き替え作業になりそうだと嘆いていました。ちなみにワタシは既に履き替え済み。

それにしても、この時期散髪すると寒いです。週末は風邪で寝込んでいるかも?(笑)

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大学の頃(特に学部3年~)、時々交際費・食費を削って教科書を買ったものです(理工系は高価な専門書が多くて経済的に大変…医学系の人はもっと大変でしょうけど、特にヤバイのが新学期の始まる4月と10月でした/涙)。教科書の一部(20~30冊くらい?)は文系就職した先輩などから貰った物ですが、その他の殆どがバイト代をつぎ込んで買った大切な本。今では役に立ちませんが、どうしても捨てられません(絶版になってしまった物も多いので、なおのこと捨てられません)。これらのうち、特に固体物理学や物理化学の教科書は“通読”というより“耽読”したものです(よく持ち歩いていた本は、雨浸み等で傷んでいる物も多いです)。社会人になってからも何度か見直す必要に迫られ、中でも『ファインマン物理学』の和訳5冊のうち、「Ⅲ.電磁気学」と「Ⅳ.電磁波と物性」の2冊は何度か通読しています。
  • 原著は3冊…Ⅰ.力学、Ⅱ.電磁気学、Ⅲ.量子力学
  • 和訳は5冊…Ⅰ.力学、Ⅱ.光・熱・波動、Ⅲ.電磁気学、Ⅳ.電磁波と物性、Ⅴ.量子力学
この「Ⅳ.電磁波と物性」、ワタシが社会人になった後に「増補版」が出ていたのですね。原書発行が1963年、その50年後も教科書として通用しているって凄いです。さらに、原著者R・P・ファインマン教授(1918-1988)の没後10年以上、和訳本初版発行後30年以上経ってから、未訳部分(和訳本に当初入っていなかった箇所)を翻訳して増補版を出す訳者・戸田盛和氏と岩波書店の根性も凄いです。ちなみにR・P・ファインマン教授については面白いエピソードが多いのですが、今日の本題ではないので申し訳ありませんが割愛させて下さい(ネット上にも多数のファンサイトがありますし、これらについては紹介しなくてもご存知の方も多いでしょう)

少し前に、この増補版の存在を知り、(本当は買い換える必要など無いのですケド) Amazonさんでポチッとしてしまいました(笑)。折角なので、久しぶり(十数年ぶり)に通読しようとしたら…これが非常に面白い! 電磁波解析や固体物理学の話がテンコ盛り。要するに、私の好きな分野。邦訳にやや難ありですが(訳者が専業翻訳家でなく物理学の先生なので仕方がありません)物理学の教科書ってこんなに面白かったっけ? 学生の頃はとにかく試験対策が先で、楽しいばかりではありませんでしたが、『ファインマン物理学』は読み物として読んでも面白いです

今耽読している教科書はコレ。

今現在、仕事にも生活にも殆ど役に立ちそうもない本なので、単なる趣味の読書。でも脇にレポート用紙と筆記具を置いて読み進めると…つい寝るのが遅くなります。ワタシにとって、このテの本は導眠剤の効果は全くありません。というか、寝る前は避けなければ生活に影響の出る悪書(笑)。ワタシにとっては教科書というより狂歌書(?)、毒書の晩秋です。

※上に「仕事にも生活にも役に立たない」と書きましたが、一部嘘です。ファインマン先生、ごめんなさい。正確には、知らなくても実生活上困らない人も多いけど、知っていると色々なことへの理解が深まり、新しい物の設計を考えたり、何かトラブルがあったときの対処が早くなったりと、仕事や趣味に何かと役に立ったりします。
  • 「AC回路」は、たとえばエレキギターのツマミの部分の部品配置を理解するのに役立ったりします。Volumeツマミはただの摺動抵抗(可変抵抗)。ToneツマミはCR回路(コンデンサ+摺動抵抗)で、Toneを落とす≒ピックアップの信号のうち高周波成分をコンデンサ経由でGNDに逃がし、低周波成分だけが出力されるようにする、です。コンデンサの容量や抵抗値がわかっていれば、具体的にどのような周波数特性を持つのか計算もできます。あと、簡単な電気回路だったら「何をする回路か」が理解できるようになりますし、どの部品を付け替えると特性がどう変わるかがズバリ分かるようになります(仕事にも趣味にも役立ちますね)。あと、デジタル通信が高速化してきて、電気回路の「実効インピーダンス」が問題になっていますが、これが原書発行1963年(53年前!)の本書に既に載っています。
  • 「矩形導波管」を細く丸く作ったガラス繊維は通信用光ファイバ。「共振器」はラジオに使われているチューナ、無線通信機器にも当然使われています。ブロードバンド時代を支える屋台骨は、光ファイバと無線による通信技術ですよね(通信インフラの中では送受信局・中継局にあるスイッチング装置が一番複雑な物だったりしますが、それもこれらの技術を高度に集積した小難しい(笑)装置です)。
  • 「固体物理」は、色々な材料の性質などを理解するのに結構役立ちます。たとえば、金属の電気的・磁気的・機械的な性質とか(加工や熱処理でどうして特性が変わるのかとか)、ガラスの屈折率とか、半導体デバイスの動作原理とか、…etc. etc.。
  • 但し、教科書中にに出てくるヘンテコな難しい方程式を理解するのはちょっと大変です。複素数の偏微分方程式とか、行列の中に行列が入っている!?(テンソル)とか、高難度な脳味噌の体操でしょうか。相当気合いを入れないと頭がパンクしそうになります(笑)…学生の頃は難しいというよりもただ面倒臭いだけでしたが…脳の高年齢化を実感している今日この頃(涙)。
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ところで、このブログ(Blogger.com)のインタフェース、最近色々変わったようです。Googleさんの他のサービス(Gmail等)とあちこち共通化されたみたいですね。特に困っている訳ではありませんが(それっぽい所をツツいているうちに何とかなるものです)、でもまだ何か慣れないデス…。

2016年11月13日日曜日

iPhone/iPadの画面を録画する方法(備忘録メモ)

昨日書いた記事のマクラは「寒いっ!」でしたが、今日は寒すぎず過ごしやすい日でした。それとも、最近サボっていた自転車に乗り、チマチマ買物とかしたので、落ちていた代謝が戻ったのかも知れません。…って、そんな急に戻るわけありませんよね(笑)。
  • 東西2駅分くらいの範囲なのですが、何往復かしました。いわゆる「サイクリング」と比べると全然短い距離ですけど。で、この位の距離だと、車を使うほどの距離でもありません。かと言って、自転車で運べる(背負える)量にも限りがあります。その結果として、行ったり・来たり・帰ったり。先にキチンと考えておけば、もう少し効率的に回れたかも知れませんが、軽い運動になったので、まいっか(笑)。
  • 最初の出走を防寒対策バッチリにしたら、予想以上に暖かい(つーか防寒装備で暑い)。2度目の出走(?)は軽装備。…最終出走は日没後だったので少し寒くなって来ましたが、軽い防寒装備でも大丈夫でした。
  • 今の下駄バイク、スタンドが無いんですよね。買い物にはチョット不便。でもカーボンフレームだから(フレームを締め付けると簡単に割れる)、ポン付けできるスタンドが無いんですよね。
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閑話休題。

Windowsユーザ(Macは持っていない)の友人が、iPhoneの画面表示を録画したくなったそうです。ネットでちょろ~んと調べて、早速試してみたとのこと。この方法は大きく分けて2通りあります。
  1. PCとiPhoneをUSB-Lightningケーブルで接続した状態で、画面表示を録画するツール
  2. iPhoneのAirPlayを利用するツール
    • AirPlay…iPhone/iPadの画面表示をTV等の画面に無線接続(ワイヤレス)でミラーリングする機能。Apple TVが代表選手。Apple TV以外でも、Windowsで画面・音声を受け取ることが出来るようにするソフトウェアがあるようです(※後述)。
この友人氏、前者に属するフリーソフトを見付けたので早速使ってみたとのこと。…ですが、色々余計な物もインストールされてしまったみたい!と手遅れの状態になってから泣きついて来ました。出所の怪しいソフトを安易に使うからそうなるんですよ! 余計な物の削除(駆除)はアドバイスをしただけで、あとは自力で対処して貰いましたが、相当苦労したようです(合掌)。
  • PCの修復作業も込みの時は、焼肉1回くらいオゴって貰っても良いですよね? 食べ放題の安い店でも構いませんが、出来ればビール付きで(笑)。
…という訳で、これまで自分ではやったことがありませんでしたが、iPhone/iPadの画面を安全かつ確実に録画する方法をちょっと調べてみました。

結論。Macがあれば超簡単♪です。

◆iPhone/iPad単体でやりたい人

いくつかの方法あるようです。が、いわゆる「脱獄」をして非正規Appを使う方法は全くオススメ出来ません(Appleさんの保証が受けられなくなる等、リスクが高すぎます)。「脱獄」なしに画面表示を録画するAppも幾つか存在するようですが、調べてみたところ、このAppの出所がビミ…(モゴモゴ)。試してみたい方はどうぞ。ワタシは出来れば使いたくないです…。

◆Macを持っている人

Appleさんがサポートしている「正規の方法」を、具体的手順込みで示します。

MacにiPhone/iPadをUSB-Lightning接続ケーブルで繋ぎ、QuickTime Playerを起動します。QuickTime Playerは(設定変更していなければ) Dock上の見える場所にはありませんが、Launcpad経由で起動することができます。

DockのLaunchpadをタップ
※マウスカーソルを乗せているので「Launchpad」の吹き出しが出ています

Launchpadをタップすると、Dockにないソフト/ツールも一覧表示されるので、ここからQuickTime Playerを選びます。

これがQuickTime Playerのアイコン

QuickTime Playerのメニューバーから「ファイル」→「新規ムービー収録」を選択します。

「新規ムービー収録」を選択

収録画面が開くと、最初はFaceTimeカメラ(Mac本体に付いているカメラ)が選択されます。ここで、録画ボタン脇の下向き矢印から、カメラ・マイクともiPhone/iPadを選びます。

録画ボタン脇のメニューでカメラ&マイクを指定
※これは既にiPadが選択されている絵です

録画ボタンを押してから停止ボタン(同じ場所)を押すまでの間、バッチリ録画されます。これに名前を付けて保存すれば、動画ファイル(*.mov)が完成です。これで万事OK♪
  • 古いMacOSに付属しているQuickTime Player (無償版)には、「新規ムービー収録」の機能は無いようです(グレーアウトしています)。これを選択すると、購入を勧めるポップアップが出て来ます。ここで「詳しい情報」とか「今すぐ購入」のボタンを押すとブラウザが開き…って、「このページは表示できません」になります(存在しないURLを開こうとしているっぽい)。何やってるんですかAppleさん!
ちなみに、「高画質」モードでは、*.movファイルは1,600×1,200ピクセル。相当のCPUパワー、メモリ、ディスク容量を必要とします。ワタシのiMac (2013年購入、Core i7/4コア/3.1GHz、メモリ16GB)では特に問題なく録画出来ましたが、別の作業と同時進行では少々キツイかも知れません。
  • iPad Pro 9.7インチの画面表示は2,048×1,536ピクセル
  • 録画されて出来る*.movファイルの解像度は1,600×1,200ピクセル
ちなみにこの*.movファイル、解像度が高いため、何世代か前のマシンでは再生するだけでも問題が起きます(コマ落ちが発生して動きがカクカクになります)

…と、写真と文章だけ書いていてもツマラナイので、動画も載せておきます。当ブログ(Blogger.com)の仕様に合わせ、320×240ピクセル・25フレーム/秒と大幅に画質を落としていますが、雰囲気だけでも伝われば良いな~です。なお、Blogger.comの仕様で、ファイル形式も*.flv (Flash)にされてしまう為、iPhone/iPad/iPod touchではデフォでは再生できません。なぜか一部Androidスマホでも再生できないようです。あれれ、このBloggerって、Android OSの開発元・Google (Alphabet)の傘下でしたよね…何やってるんですかGoogleさん? 要するにキチンと再生できる環境と言えるのはWindows PC/Macのみっぽいです)。スマホで御覧の皆様、申し訳ありません。動画を見てみたいという方は、PCかMacで見て下さい…あるいは直接御連絡を頂けましたら(口頭・電話・メール・SNS・当ブログの連絡フォームなど種々受け付けます)、クラウド(公開)のURLをお伝え致します。

こんな風に録画できます(画質低くてスマヌ)

動画が見られない皆様のために、参考程度ですが、スクショも載せておきます。元ファイルは1,600×1,200ピクセルですが、編集の都合により800×600に落としてあります。

動画のスクリーンショット
この対戦相手、名前もアバターもパンチが効いている(笑)

この画質で滑らかな動画処理をこなすiPad Proって凄(すげ)えな(ペッタンコなボディだけどとってもパワフル)。これを楽々録画できるiMacや、この動画を通すことが出来るLightning I/Fも凄いのですが(たった8端子…この場合Mac側はUSBなので実質5端子だけ…でどうやって通信しているのでしょう?)

ちなみにこの*.movというファイル形式、元はMac向けフォーマットですが、今では(出所がキチンとした)ソフトでWindowsでもちゃんと再生出来ます(Windowsに標準でついてくるMedia Playerで普通に再生できます)。また、(こちらも出所がキチンとした)ファイル形式変換ソフトも多種出ていますので、必要に応じてこれらを使うのが良いと思います。

◆Windowsな人

USB-Lightning接続、AirPlay、いずれについても色々なフリーソフトが出ています。が、どうにも出所の怪しいソフトが多いようです。余計な物を一緒にインストールさせないスキルを持っている人は別として、大抵の人は手を出さない方が無難でしょう。ワタシも手を出しません(Macで用が足りるので面倒なコトはしたくないというのも大きな理由ですが)

で。Windows用QuickTime Playerでも、Macと同じことが出来るのでは? と試してみました。が、無償版QuickTime Player (現行バージョン7.7.9)は、上記「古いMacOS付属のQuickTime Player」と同じ状態になります。録画機能無し、QuickTime Proの購入を勧めるポップアップで「詳しい情報」とか「今すぐ購入」のボタンを押すとブラウザが開き、「このページは表示できません」。何とかしてくださいAppleさん!

という訳で、Macを持っていないけどチョットだけ試してみたい人は、友人・知人のMacユーザを頼るのが良さそうです。が、本格的にiPhone/iPadの画面を録画したい人にとっては、Macを買うのは充分アリな投資だと思います(決して安くはありませんけどね)ワタシとMac仲間になりませんか?

◆電気マニアな人

iPhone/iPadの画面表示は、Apple純正のLightning-VGA/Lightning-HDMI接続ケーブルを使って、プロジェクタやTVに映すことができます(この接続ケーブルは持っていると何かと便利)。ということは、それなりの道具を使えば録画できる筈です。ちょっと検索しただけでも、ビデオキャプチャボードとか種々の方法があるようです。

…とか何とか出来るスキルの持ち主にとって、こんな寝惚けたブログ、何の役にも立たないでしょうけど(自嘲)。

ところで。レースゲーム等をプレイしている画面を、このLightning-HDMI接続ケーブルを使ってデカい画面に映すと迫力満点です(VGAは画質劣化でかなりショボくなるので、HDMIの方をオススメ)。でもこの表示、微妙に遅延が発生します。アクション系・シューティング系のゲームで勝ちに行く人は、iPhone/iPad本体の画面を見てプレイした方が良いかもしれません。
  • AirPlayについては、対応機器(Apple TV)を持っていないので何とも…。でもWi-Fiに乗せての伝送なので、これもある程度の遅延はあるでしょうね。それに、電波状態によっては(Bluetoothも含む他の機器からも影響を受けて)伝送品質が劣化する場合もありそう…、な気がします(未確認なのでナンとも言えません)。
◆補足:上の動画&スクショについて

上の動画&スクショは、バンダイナムコエンターテインメントの「ドリフトスピリッツ」のプレイ画面です(通称“ドリスピ”、iPhone/iPad/Androidスマホ対応;リリースから3年経ちますが、今でも人気のゲーム…って書いているワタシ、実は先月始めたばかり/笑)。レースゲームの体(てい)をなしていますが、レース中にユーザが操作するのは
  1. スタート時に適度にアクセルを吹かし、エンジンの回転数を適度に保つ
  2. コーナー(カーブ)の入口と出口で、ハンドルを切る・戻すタイミングを入力
  3. 必要に応じてニトロ(N2O)を投入して急加速する
だけです(1., 2.は画面右下、3.は左下のタッチ、あとはスマホ/iPadが勝手にやってくれます)。要するにタイミングゲームです。獲得したコインやチケット等を使って車をグレードアップして行くシステムは、PlayStationの「グランツーリスモ」シリーズなどと似た形です(繰り返しプレイしているうちにインチキでトンチキな車が作れてしまう辺りも似ています/笑)。ネットゲームなので、時期ごとのイベントやプレゼントがあったり、ネット上に走り屋仲間を作れたり(仲間を作った方がコイン・チケットの獲得に有利)、ゲーム内容が自動的にアップデートされたりします。バトル(1対1でのレース)のプレイ自体はとても単純ですが、車のセッティングに凝ることが出来たりして(パーツ別にグレードアップするシステムなので組み合わせにも工夫できる)車好きは熱くなれるゲームです。ちなみに仮想通貨の購入やSNS投稿でコインを追加できるシステムになっていますが、フトコロに余裕のないワタシは無償で出来る範囲で楽しんでいます(消費意欲を刺激する、よく出来たシステムですけどね)
  • 【余談】 YouTubeで「ドリスピ」等を検索すると、非常に上手な人のプレイ動画がたくさんヒットします。検索キーワードに車種名等も加えると、自分と同じ車の人のプレイも見られます。非常に参考になりますが、格の違いを見せつけられて凹んだり。こういう楽しみ方もありますが、自分自身がガソリン待ちでプレイ出来ない間はYouTubeで“勉強”…とかやり始めると、なかなか抜け出せない魔の循環にハマります(笑)。でもあの高レベル(車のグレードも操作スキルも)、一体どれだけの時間とお金を注ぎ込めば到達できるのでしょう…?
え゛、ワタシ、ゲームが超下手ですと?(←発音は「ッチョ~下手ぁ?」とイヤな感じ) 巧くないのは認めますよ、ええ(操作タイミングが所々イマイチな上に、車のセッティングも足回りがエンジンパワーに負けているとか問題が…)あまり巧くないので、アバターとかは出来るだけ馬鹿っぽいものを選んでいます(上に貼った動画では、アタマの方では右上、ラストで左に表示されています)。この動画では、レース相手もキャラ立ちしたちょっとアホっぽい奴(←こーゆーの結構好きなんですケドね/笑)。…それにしても。“下手”の前に“超”とか付けないで下さいよう~(涙)。誰ですか、じゃあ“ド下手”って言い換えて来る人は?(泣) (←発音は「ンドッ下手ぁ?」と、これもイヤな感じ)


↑これは個人的な苦情デス。…ネタにしちゃって申し訳ありませんケド、Windows PCにマルウェア仕込まれた誰かさんのことですよ!(爆)

ちゃんちゃん♪

2016年11月12日土曜日

Google翻訳にニューラル・ネットワークが実装されたって?

寒いっ! (←今日のマクラはこれだけ/笑)

・  ・  ・  ・  ・

昨日くらいから、あちこちでニュースになっていますね。

という訳で試してみました。以下のような感想を持ちました。
  • 語彙量と表現力が不十分なことが目立ちますが、概要は概ね正しく翻訳できることが多いようです。世界中のユーザが使うたびに「学習する」翻訳装置なので、いずれもどんどん改善されて行くでしょう。
  • 日本語のような非論理的な言語と、英語のような論理的な構造を持つ言語の間での自動翻訳でも、ある程度は主語・目的語が補われ/削除され(←従来の自動翻訳はココが非常に弱かった)、ソコソコ自然な文章が作成されるようです。
  • ただし、この補われ/削除される過程において、文章の一部が丸々消えてしまったり、誤った語が補われることにより、致命的な誤訳を起こす様子もしばしば見られました。
言語構造(論理性など)・人々の思考方法・人々の常識が違う世界同士で「完璧な翻訳」などあり得ませんので、そこは割り切って使うのが良いでしょう。この言語間(日本語と英語、など)の論理構造の違いを意識し、入力前の文章を整えてやれば、以前よりずっと高い精度の翻訳をしてくれるようになったと思います(これは、たとえば英作文時、和文原文をする際に用いると非常に有効な手法でもあります)

この辺りをキチンと分かった上で使えば、「かなり使える翻訳装置」になっていると思います。

たとえば日本語を英語に翻訳する際には、日本語で曖昧になりがちな
  • 時制、単数/複数、定冠詞・不定冠詞の違いを明確にする
  • 論理の流れが明確になるような文章構造にする
  • 句読点や括弧を有効に使う
あたりを工夫すると、けっこうマトモな翻訳になるようです。また、
  • 1文1文を短めに区切り、各文の関係を接続詞で明確にする
のも非常に有効です。たとえば、入力側をこんな風に整えてやると(日本語としてはカナリ不自然ですが、各単語と文章単位の掛かり合いを明確にしています)

①日本の有名な文学作品の英訳 (原文を整えています)

入力例①(和文)

まぁこれ位手を入れないと、正しそうな英語は出力してくれないということで。ここでも、たとえば「おじいさん」では「old man」なのか「grandfather」なのかわからなくなるので、「老人」。「おばあさん」は「老女」。時制も全て過去形にしています。句読点ひとつで英訳が結構変わっちゃうので、そこも工夫しています。…と苦労(でもないか)をすると、出力はソコソコ正しそうな英語になってくれます(まだ納得しきれる物ではなけど…もういいやっ!/笑)「どんぶらこ、どんぶらこ」の所だけ、どうしても英語に出来ませんでしたけどっ!(笑)

出力例①(英文)

上の翻訳へのリンク:
  • このGoogle翻訳(文章付き)に飛ぶリンクですが、「学習する翻訳装置」なので、皆様が御覧になる時は、当ブログとは出力(英訳)が少し異なっているかも知れません。
②論理構成のしっかりした日本語の英訳(原文ママ)

最初から論理構造のしっかりした日本語の場合、原文ママで概ね正しそうな翻訳をしてくれます。

入力例②(和文、数字をアラビア表記に変えた他は原文ママ)
出典:加藤周一「日本文学史序説〈上〉」(筑摩書房、1999/04), p. 25

出力例②(英文)

上の翻訳へのリンク:

んー、何か微妙に間違っている気もしますが(幾つか単語が消えている?)、このレベルなら修正はさほど難しくないでしょう。

口語表現については面白い?微笑ましい?です(感嘆詞に対する翻訳は結構ダメダメですねえ/笑)。コテコテの方言(日本語の多様性)への対応はイマイチですが、でもそこそこ翻訳してくれるようです(以前よりはるかにマシになったような)。以下、サンプルその③・④。面倒なので(笑)スクショ無し・Google翻訳へのリンクのみで行きます。

③関東エリアでありそうな口語表現の英訳

④関西エリアでありそうな口語表現の英訳
関西弁がおかしい点については勘弁して下さい。

なお、「クソッ!」とかの乱暴な言葉を入れると、公共の場に相応しくない英語表現が出てきます(ハリウッド映画などではありがちな表現なのですが、少なくともビジネスやあまり親しくない人との会話では避けるべき表現だと思います)。ご利用は気をつけてたいですね。

次は、英文和訳、Webページまるまるやってもらいましょうか。

⑤英語作品のWebページ和訳
言っていることはある程度わかりますが、意味不明な所も多いです。作品の味わいも全くありません(笑)。これは当然、日本語に翻訳するために書かれた(翻訳しやすい形に整えた)英文ではないからです。

では、もう一丁!

⑥英語作品のWebページ和訳・その2
フランス語原作の英語訳を入力に使ったからでしょうか、それとも作風の為でしょうか、何を言っているのかさっぱりわかりません(笑)。

まぁGoogle翻訳さんには、もっと勉強してもらい、より便利な翻訳装置になってもらいましょう。

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後半ちょっと暴走しましたが、本題に戻ります。

今後の語学教育(特に最初の外国語=英語=で)は、言語間の論理構造の違いを学び、翻訳ソフトを使いこなす手法を学ぶ、という部分に重点がシフトして行くかも知れませんね。教育する側(学校・塾)がそのように意図せずとも、学習する側(生徒)がどんどん自動翻訳に依存するようになって行くのは間違いないでしょう。ただ、翻訳装置の出す訳文が正しいか否かを判断する読解力(いずれヒアリング力も)は必要ですから、語学力が不要になる日は当分先でしょう(書く/話すのは母国語が中心になって行くでしょうから、外国語のライティング力・スピーキング力の重要度は下がっていくかも知れませんが、文章の論理構成力は必要です)。翻訳装置の力を借りるのがどんどん当たり前になって行き、語学教育/学習の本質すら変わってしまう気がします。

翻訳業の方々はこれからは、従来よりも「腕の見せどころ」が増えるでしょうね。専門用語などは機械はすぐ学習してしまいますが、言語間の論理構造・文化の違いを超えて、解り易く伝えるというのは、機械が行なうのはもう少し先だと思います。ここに人間の活躍の場がありそうです。
  • ン十年前の海外の専門書の翻訳本って、業界の大御所(英語の専門家ではない)が翻訳する本も多く、読み難いものが多かったように思います。それがここ10年位の間でしょうか、優れた翻訳家が多く出てきました(彼ら/彼女らの翻訳作業を見ていると、特定の分野の専門家ではなく、翻訳の専門家と言えるでしょう;翻訳作業に入るにあたって、その業界の用語等を猛勉強してから翻訳作業をしているようです)。
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さてこのGoogle翻訳。結構便利に使えそうですが、入出力した情報は全~部Googleさんにも蓄積されちゃいますから、間違っても機密文書の翻訳(下訳含む)に使ったりしてはいけませんね。交渉・契約の書類などが一番キチンと翻訳したい文書だったりします…、便利な道具ほど使い方(使い所)は難しいです。

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柄にもなく結構真面目なコトを書いてしまいました。明日は趣味丸出しで行きますよ!(笑)

2016年11月3日木曜日

Blackieの弦間隔、PUのセンターずれの謎(続編)

久しぶりにギターいじりの話をガッツリ書きます。

珍しく本ブログにコメントが付きました(知人・友人の多くは口頭・メール・SNS等で反応…書き込むのに躊躇する気持ちも理解できますが)。返信コメントを書こうと思ったのですが、コメント/返信欄の文字数枠では全然足りません。書きたい量の1%にも満たない位(笑)。という訳で、別記事を立てさせて頂きました。
3年前の記事なんかを読んで下さってありがとうございます。まさか3年越しに続編を書くことになるとは、全く予想していませんでした。以下、何かの参考にでもなりましたら幸いです。

では最初に、Eric Clapton氏のBlackieを見てみましょう。2001年のライブ映像では、弦間隔とPUのポールピース間隔が合っていません(ワタシのBlackie=2001年製=もそうですが、6弦がポールピースの真上を通り、1弦はポールピースより外側に1~1.5mm位ズレています)

2001年版Blackie
Eric Clapton: One More Car, One More Rider Live on Tour 2001
グラフィックペイントなので“Blackie”は不適切?
1弦がポールピース真上を通っていません。

参考までに、比較的最近(2010年)のBlackieも見てみましょう。1~6弦とも、ポールピースの真上を通っているように見えます。

2010年版Blackie
Eric Clapton: Crossroads Guitar Festival 2010
色がpewterなので、これも“Blackie”ではない?
ポールピースと弦のオフセットが無い?

ここでは、“Blackie”とは、Fender USAのEric ClaptonシグネチャモデルStratocaster (ベースとなっているギターは1957年仕様のいわゆるST57)のことを指します。発売後何度かマイナーチェンジが入っていますので、軽く分類しておきます(ワタシのBlackieは以下の2.に相当します)
  1. 1990年代半ば…ピックアップ(PU)はFender-Lace Sensor Gold、Mid-Boost回路付
    Fender社コロナ工場のシグネチャモデル専用のラインで製造。ヘッド表にClapton氏のサイン(を印刷したもの)があります。S/N (製造番号)は通常品と異なり、シグネチャ・シリーズの番号が付けられています。
  2. 1990年代終わり頃~2000年代半ば…PUはFender Vintage Noiseless PUに変更
    Fender社コロナ工場のシグネチャモデル専用のラインで製造。ヘッド表にClapton氏のサイン(を印刷したもの)があります。ピックガード形状が通常のST57と微妙に違います(PUを6弦側に1~2mmオフセットしてあります)。S/Nは通常品と異なり、シグネチャ・シリーズの番号が付けられています。
  3. 2010年頃~現在…仕様は似ていますが、微妙に仕様変更が入っています(余談③も参照)。また、以下の2グレードに分かれました(Eric Claptonモデルだけでなく、Jeff Beckモデル等、他アーティストのモデルも2グレードに分かれました)
    • カスタムショップ製、超高級品
      使われているパーツ類は通常品と同じようですが、木材の選定もギタービルダーも全然別物。ヘッドにClapton氏のサインはありません。ヘッド裏にCustom ShopのVマークが付いています。実物を触ったことが無いので、ピックガード形状等の細かい点については未確認です。
      ↑Eric Clapton氏が手にしているのとほぼ同質のギターでしょうが、非常に高価!
    • Fender社コロナ工場の通常ラインで製造された一般品
      ヘッド表にClapton氏のサイン(を印刷したもの)があります。ピックガード形状は通常のST57と同じようです(2.から仕様が少し変わったようです)。ネックの断面形状「Soft V Shape」が、2000年頃のモデルと比較して、少しキツい「V」なりました(Martin 000-28ECもそうですが、Clapton氏にとってはキツめのVネックの方が弾き易いのでしょう)。なお、S/Nについては、シグネチャモデル用の番号ではなく、他の一般モデルと共通のものになりました。
たぶん1.の前にLace SensorでないPUのシグネチャモデルもあると思うのですが、そこまで遡って調査はしていません。画像・映像を見ると、ポールピースの露出したPUが搭載されたST57 (1970年代)、ポールピースが隠れたPUの時代(1986年~、当時はまだLace Sensor PUは存在していない)、と幾つか世代があると思います。が、Fender社がその時代に売っていたモデルまでは調べていません。…中途半端でスミマセン。
  • Lace Sensor PUの米国特許(USP #4,809,578)は、1987/07/14出願、1989/03/07登録となっています。製品リリースは1987年末~1988年頃と見て良いでしょう。つまり、Clapton氏が復活した頃(1986年)はまだ存在していなかったと考えるのが妥当でしょう。
で。Claptonモデルとして売られているST57は、電装部品も通常のST57と違います(後述)。それでも「Claptonモデル」として売れるので、Fender社はわざわざ別仕様のパーツ類を採用しているのでしょうね。2000年頃の製品(上記分類の2.)は、パッと見は差が解りにくいですが、ピックガード形状も通常のST57と違います(ネックポケット位置がずらしてあり、PUが6弦側にオフセットされています)


Fender USA Eric Claptonモデル(2001年製)。
ワタシのBlackieは上記分類の「2.」に当たります。
1弦側がPUのポールピースからずれています。

前置きが長くなってしまいました。

頂いたコメントですが、
  • ポールピースの真下に弦が通らないと音的にネガティブ、と言うのが自明ではないと思います。出力は落ちますが、高さで補正出来ます。嗜好と設計の範囲と思います。
というものでした。これについて、ワタシなりの見解を簡単にまとめます:
  1. ポールピースと弦の横位置がずれていると、音的には明らかに影響が出ます。
  2. 弦がポールピースから遠い位置にあると、出力は下がります。これを補正するためにPU (の1弦側)を高くすると、2弦・3弦もよく拾うようになっちゃうので、バランス調整が難しくなります(どこかで妥協することになります)
  3. ワタシの目論みは、BlackieにLace Sensor Gold PUを搭載することです(一度試した後、元のVintage Noiseless PUに戻してしまいました)。Lace Sensor PUは、元々1弦を拾いにくいという悪評判があります。加えて、現行BlackieのPUをポン付けで交換する場合、PU位置が(スタンダードなSTと比較して) PUが1弦から離れる位置にオフセットされていることから、2.の調整がよりシビアになります(Lace Sensor PUではポールピースの高さ調整も出来ません)。その反面、Lace Sensor PUはポールピースと呼べる物が無いPUなので(かなり特殊な構造)、ポールピースと弦の横方向のオフセットによる音質変化には神経質にならなくて良さそうです(それよりも1弦の音量低下の方が重要)
これを「音的にネガティブ」と捉えるかどうかは、聴く人(弾く人)次第でしょう。

ワタシ元記事は、Eric Clapton氏は何の意図/目的をもって、わざわざずらしているんだろうな~?という考察(愚考)です。が、PUと弦の横位置を意図的にオフセットさせ、「嗜好と設計の範囲」で音を作っていることは間違い無さそうです。

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上記1.~3.について少し詳しく説明させて下さい。

1. 〔弦-PUの横ずれ→音への影響〕

ネット上で見てみると、ポールピースと弦をずらすと音が太くなるという(ちょっとビックリな)効果があるようです。確かに、Eric Clapton氏の2000年頃の音作りは、低音弦はエッジの効いた音、高音弦は太目の音(特にハーフトーンでMid-Boostと組み合わせると効果的)、という方向性だったように思います。オールドタイプのブリッジ(Synchronized Tremolo)の弦間隔がVintage Noiseless PUのポールピース間隔より若干広くなることを積極的に利用し、6弦はポールピースの真上、1弦はポールピースからずれた位置、…に弦を配置して、そういう音作りをしていたのかも知れません(あくまで推測ですけど)

この「音が太くなる」効果について、実際にギターを改造して確かめたというツワモノの記事がありますので、もし良かったらご覧になってみて下さい。
ワタシのBlackieは、ネジ止め無しならば、(後付けのピックガードが形状が合わずネックポケット部を一部削っているので)横方向のオフセット量を若干変更できます。元記事を書いた後、Noiseless PUを載せた状態で、PU-弦の横方向のオフセット量を変化させて音への影響を確かめてみましたが、確かに微妙に音質が変わっていると思います(オシロスコープで波形を見るトコロまではやっていませんが、DTMに録音~聴き比べてみたりしました)。違いを言葉で説明するのは難しいのですが、オフセットさせると、スタンダードなSTの音よりも確かに太い音です。ちょうど2000年頃のClapton氏に似た音を出しやすいです(2010年頃からClapton氏の音、また変わりましたけどね)
  • この実験の時は、ネジ穴を開け直すのが嫌で、ピックガードはマスキングテープで固定(笑)。
  • Claptonコピーをするなら、ギターだけでなく、アンプも合わせなければいけません。90年代のMarshallのチューブアンプ(50W以上)が良い感じになりますが、これを模したアンプ・シミュレータもソコソコ感じが出せます。←実はVOX社製のミニアンプ「MINI 3」のアンシュミ「UK '90S」の音が気に入っていて、よくMacのアナログ入力(DTM)の前段に入れて使っています(出力が小さいのもDTM向き)。
  • Claptonフリークなら、Fenderの1957年型Stratocaster (“Blackie”)は鉄板、他にGibsonのSG (サイケデリックペイント)やES-335 (セミアコ)、Byrdland (フルアコ)、アコギならMartinの000-28EC、…辺りも要チェックですが、本当にチェックするのは野村義男さん辺りがやってくれているでしょう。ここではBlackieだけについて書きます(このBlackieだけでも変遷を追うとキリが無いデス…)。
さて、ポールピースとオフセットを付けることで音が太くなるとは言っても、チョーキング(bending)とかでフツーに起こる現象なので、気にしない人は気にならない程度の差しか無いでしょう。でも、チョーキングやアーミングを多用するプレイヤには、(6弦独立型でなく)バー型のポールピースが使われたPUを使う人も多いことから、気になる人にとっては違いがある領域なのでしょう

2. 〔1弦とPUとの距離が離れる→出力低下の影響と対策〕

ワタシのBlackieに搭載されているPU (Fender Vintage Noiseless PU)を見ると、ある程度対策済みになっているようです;他モデルのギターに搭載されているNoseless PUや単品売りのNoiseless PUよりも1弦のポールピースが若干高く設定されています
  • このBlackie搭載のNoiseless PUは、フロント/センター/リアでそれぞれ異なるポールピース高に調整されています(一定以上の価格のギターはこの手の調整がされていることが多いですね)
  • このBlackieは、ピックガード形状(ネックポケットの位置→これでPUがセンターから6弦側に1~2mmオフセットされている)、PUのポールピースの高さについても、このモデル(Blackie)専用の設計になっているようです。
    • BlackieはMid-Boost回路が乗っている他にも、電装系部品もスタンダードなSTと違う物が多く使われています。ボリュームのジャックポッドの抵抗値が違う、中央のトーンはTBX、端のトーンツマミはMid-Boostのコントローラになっている、ジャックがMid-Boost回路の電源SWを兼ねている、…といった辺り。
3. 〔このBlackieにLace Sensor PUを付ける場合の留意点〕

前述の通り、ワタシのBlackieにLace Sensor PUをポン付けすると、①そのままでは1弦がPUから遠い配置になる、②Lace Sensor PUは元々1弦の音を拾いにくい、という二重苦が待っています。真面目にやるなら、キチンと対策を打つべき領域でしょう。根本的な対策として、PUの左右位置のオフセットが小さくなるように、ワンオフ物のピックガードを作るなどが考えられます。でも結構な出費になるので、どうも試す気になれません(笑)。

ワタシの場合、以前Lase Sensor PUを載せていた時期に書きましたが、Lace Sensor PUではピッキングの上手・下手がモロに出るようになってしまうので、ギター工作の前に練習しようぜ、というオチ(笑)。

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余談①

Lace Sensor Gold PUの効能は、以前一時期Blackieに付けてみた時に色々書きました(PUをかなり高くしても弦振動を阻害しない実験結果とか、仕組みに関する特許解読とか)。興味のある方は以下(↓)も併せて御覧下さい。
余談②

Eric Clapton氏、1999~2002年頃は、ステージによってLace Sensor Gold PU搭載のST57を使っている時と、Fender Vintage Noiseless PUのST57を使っている時があります。映像作品でも、
と行ったり来たりしています。その後一旦Noiseless PUに落ち着いていたようなのですが、00年代後半から再びLace Sensor Gold PU搭載のST57も弾いているんですよね(Fender Vintage Noiseless PU搭載のST57と使い分けています)。新しいBD/DVDの作品ではFender Vintage Noiseless PUの絵ばかりですが、YouTubeとかに上がっている映像(どこかでTV放送されたもの)ではLase Sensor PUもよく見ます(細かい点もよく見ると、昔の「Fender-Lace Sensor」でなく、現行の「Lace Sensor」の刻印)。…この辺り、Lace Sensor社との契約が切れたFender社と、Clapton氏との間の供給/保守契約とかいった大人の事情も関係しているのかも知れません。

それにしても。Clapton氏、Lace SensorのPUを使い始めて四半世紀以上になります。音や対ノイズ性について、よっぽど気に入っているのでしょうね。

余談③

友人S氏が数年前に買ったBlackie (2010年製、上記の分類で言えば3.の一般品)をいじらせて貰ったことがあります(いじらせて…の内容は、ネック状態のチェックとかブリッジの調整とか…ワタシゃローディか?/笑)。このBlackie、1~6弦が全部ポールピースの真上を通っています。あれ?と思って弦間隔(ブリッジサドル幅)を確認しました。
  • ワタシのBlackie (2001年製)…ブリッジサドル幅11.3mm (オールドタイプの寸法)
  • S氏のBlackie (2010年製)…ブリッジサドル幅11.0mm (現行タイプと同じ寸法)
    • 細かく採寸させて貰ったところ、ブリッジ(Synchronized Tremolo)そのものはオールドタイプ、サドルだけ現行型の11.0mmの物が付いているようです。この場合サドル間に微妙に隙間が出来ます。Stratocasterのサドルは、オクターブ調整ネジとスプリングで「何となく」位置が決まっているだけなので、弦を緩めた状態で「ギュッ」と幅寄せして配置すれば、弦の横位置をコンマ何ミリかずらせるようです。そうか、その技があったか!
    • Clapton氏の最近のST57が同じ「調整技」を使っているのかどうかよく判りませんが、上から2枚目の写真の通り、映像はどう見ても弦間隔はポールピースに合わせてあるようです。
    • Fender社の公式サポートページ<https://support.fender.com/hc/en-us/articles/214344583-Stratocaster-Service-Diagrams>で見られる図面では「Bridge Assembly, Vintage Strat」としか書かれていません。Vintage Stratというのはサドルが(ブロックタイプでなく)プレートタイプであることを指すだけで、サドル幅がオールドタイプかどうはまでは不明です。
という訳で、同じClaptonシグネチャモデルでも、最近のモデルはサドルだけ現行型(11.0mm幅)という仕様変更のようです(ついでに書くと、PUの1弦のポールピースが2001年製より低め~通常のSTと同じくらい?~、細かな部分も変更されているようです)。いずれにせよ、今のClapton氏は、弦とポールピースの位置ズレは無し。ズレているのは、やっぱり駄目なのかも知れません。近年Clapton氏が出しているST57の音は、2000年頃と比べてパリパリした音。つまり、Stratocasterらしい音。2000年頃は、たぶんGibson SGやES-335といったハムバッカーPUを意識した、太めの音をStratocasterで出していたのだと思います。そう言えば2001 L.A.ライヴでは最初にGibson Byrdland (フルアコ)、最後にMartin 000-28EC (アコースティック)を弾いている他はST57 (Fender Vintage Noiseless PU)で通していますが、2002 Hyde ParkライヴではGibson ES-335とST57 (Fender-Lace Sensor Gold PU)を持ち替えて音のキャラを使い分けていました。

…と考えると、2000年頃のあの弦・ポールピースの「ズレ」は一体何だったのでしょうか? 音を追求した結果? それとも単に過渡的な状態?(←Clapton氏やFender社が中途半端なことをするとは思えませんが。) 良いとか悪いとかではなく、単にClapton氏の求める音が変わってきた、と考えるのが妥当かも知れません。

さて、当初の目的。1990年代後半のClapton氏の音を再現するには、やはりLace Sensor Gold PUを載せたいです。素体としては手持ちのBlackieを使い、1弦がPUから遠くなってしまう件については、ブリッジサドルだけ現行の11.0mm幅の物に交換してエイヤッと幅寄せすれば万事解決っぽいです。

まずは11.0mm幅のサドルだけ買っておくことにします。でも、Fender社の公式Webページって、寸法とかの細かい情報が殆ど載っていないのですよね。仕方が無いので、各製品(パーツ)の説明文、特に、搭載されているギターモデル等を細々と見て行くと、概ね以下のように考えれば良いようです:
しかし、オールドタイプの方が高いとは(笑)。

それにしても、PU交換。ピックガードを外して半田付けし直しとか、何度もやるのはやっぱり面倒臭いな。やっぱり、Lace Sensor Gold PU搭載用に、もう1本Blackieが欲しい(3年前と言っていることが変わらない/笑)。Lace Sensor載せるなら色は黒じゃなくてTorino RedかPewterですよね。

しかし素体として新品ギター買うのもな~(笑)。

【業務連絡】 Sちゃん、いやS様。ワタクシメに、この2010年製Blackie譲って下さる気はございませんか? 出来れば格安で(笑)。その代わりと言ってはナンですが、御愛用のギター、今まで以上にメンテして差し上げますよ?