2016年11月23日水曜日

読書? 毒書?

今日は寒い祝日でした。明日11/24(木)は首都圏で大雪という予報です(都心で積雪すれば観測史上初だとか…色々と影響が出そうなので、準備と用心が必要かも知れません)。今日、床屋さんの若旦那が前の休み(理髪店は月曜定休が多いですね)にスタッドレス・タイヤに履き替えるつもりだったところ、ビールの誘惑(笑)に負けてしまったので、急遽、今晩寒空の下で履き替え作業になりそうだと嘆いていました。ちなみにワタシは既に履き替え済み。

それにしても、この時期散髪すると寒いです。週末は風邪で寝込んでいるかも?(笑)

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大学の頃(特に学部3年~)、時々交際費・食費を削って教科書を買ったものです(理工系は高価な専門書が多くて経済的に大変…医学系の人はもっと大変でしょうけど、特にヤバイのが新学期の始まる4月と10月でした/涙)。教科書の一部(20~30冊くらい?)は文系就職した先輩などから貰った物ですが、その他の殆どがバイト代をつぎ込んで買った大切な本。今では役に立ちませんが、どうしても捨てられません(絶版になってしまった物も多いので、なおのこと捨てられません)。これらのうち、特に固体物理学や物理化学の教科書は“通読”というより“耽読”したものです(よく持ち歩いていた本は、雨浸み等で傷んでいる物も多いです)。社会人になってからも何度か見直す必要に迫られ、中でも『ファインマン物理学』の和訳5冊のうち、「Ⅲ.電磁気学」と「Ⅳ.電磁波と物性」の2冊は何度か通読しています。
  • 原著は3冊…Ⅰ.力学、Ⅱ.電磁気学、Ⅲ.量子力学
  • 和訳は5冊…Ⅰ.力学、Ⅱ.光・熱・波動、Ⅲ.電磁気学、Ⅳ.電磁波と物性、Ⅴ.量子力学
この「Ⅳ.電磁波と物性」、ワタシが社会人になった後に「増補版」が出ていたのですね。原書発行が1963年、その50年後も教科書として通用しているって凄いです。さらに、原著者R・P・ファインマン教授(1918-1988)の没後10年以上、和訳本初版発行後30年以上経ってから、未訳部分(和訳本に当初入っていなかった箇所)を翻訳して増補版を出す訳者・戸田盛和氏と岩波書店の根性も凄いです。ちなみにR・P・ファインマン教授については面白いエピソードが多いのですが、今日の本題ではないので申し訳ありませんが割愛させて下さい(ネット上にも多数のファンサイトがありますし、これらについては紹介しなくてもご存知の方も多いでしょう)

少し前に、この増補版の存在を知り、(本当は買い換える必要など無いのですケド) Amazonさんでポチッとしてしまいました(笑)。折角なので、久しぶり(十数年ぶり)に通読しようとしたら…これが非常に面白い! 電磁波解析や固体物理学の話がテンコ盛り。要するに、私の好きな分野。邦訳にやや難ありですが(訳者が専業翻訳家でなく物理学の先生なので仕方がありません)物理学の教科書ってこんなに面白かったっけ? 学生の頃はとにかく試験対策が先で、楽しいばかりではありませんでしたが、『ファインマン物理学』は読み物として読んでも面白いです

今耽読している教科書はコレ。

今現在、仕事にも生活にも殆ど役に立ちそうもない本なので、単なる趣味の読書。でも脇にレポート用紙と筆記具を置いて読み進めると…つい寝るのが遅くなります。ワタシにとって、このテの本は導眠剤の効果は全くありません。というか、寝る前は避けなければ生活に影響の出る悪書(笑)。ワタシにとっては教科書というより狂歌書(?)、毒書の晩秋です。

※上に「仕事にも生活にも役に立たない」と書きましたが、一部嘘です。ファインマン先生、ごめんなさい。正確には、知らなくても実生活上困らない人も多いけど、知っていると色々なことへの理解が深まり、新しい物の設計を考えたり、何かトラブルがあったときの対処が早くなったりと、仕事や趣味に何かと役に立ったりします。
  • 「AC回路」は、たとえばエレキギターのツマミの部分の部品配置を理解するのに役立ったりします。Volumeツマミはただの摺動抵抗(可変抵抗)。ToneツマミはCR回路(コンデンサ+摺動抵抗)で、Toneを落とす≒ピックアップの信号のうち高周波成分をコンデンサ経由でGNDに逃がし、低周波成分だけが出力されるようにする、です。コンデンサの容量や抵抗値がわかっていれば、具体的にどのような周波数特性を持つのか計算もできます。あと、簡単な電気回路だったら「何をする回路か」が理解できるようになりますし、どの部品を付け替えると特性がどう変わるかがズバリ分かるようになります(仕事にも趣味にも役立ちますね)。あと、デジタル通信が高速化してきて、電気回路の「実効インピーダンス」が問題になっていますが、これが原書発行1963年(53年前!)の本書に既に載っています。
  • 「矩形導波管」を細く丸く作ったガラス繊維は通信用光ファイバ。「共振器」はラジオに使われているチューナ、無線通信機器にも当然使われています。ブロードバンド時代を支える屋台骨は、光ファイバと無線による通信技術ですよね(通信インフラの中では送受信局・中継局にあるスイッチング装置が一番複雑な物だったりしますが、それもこれらの技術を高度に集積した小難しい(笑)装置です)。
  • 「固体物理」は、色々な材料の性質などを理解するのに結構役立ちます。たとえば、金属の電気的・磁気的・機械的な性質とか(加工や熱処理でどうして特性が変わるのかとか)、ガラスの屈折率とか、半導体デバイスの動作原理とか、…etc. etc.。
  • 但し、教科書中にに出てくるヘンテコな難しい方程式を理解するのはちょっと大変です。複素数の偏微分方程式とか、行列の中に行列が入っている!?(テンソル)とか、高難度な脳味噌の体操でしょうか。相当気合いを入れないと頭がパンクしそうになります(笑)…学生の頃は難しいというよりもただ面倒臭いだけでしたが…脳の高年齢化を実感している今日この頃(涙)。
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ところで、このブログ(Blogger.com)のインタフェース、最近色々変わったようです。Googleさんの他のサービス(Gmail等)とあちこち共通化されたみたいですね。特に困っている訳ではありませんが(それっぽい所をツツいているうちに何とかなるものです)、でもまだ何か慣れないデス…。

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