2013年2月5日火曜日

初心者向けギター?

最近、「知恵袋」とかでギター初心者らしき人からのQ&Aなどを何度か見ました。曰く、
 「初心者なんですけど、どんなギターを買えば良いですか?」
 「2万円のギター初心者向けセットを買っても大丈夫ですか?」
回答者の方々の書きこみを見ていると、「5万円以上のギターにしな」とか「安いギターは粗悪品だ!」とか言っている人もいるようです。

確かに、安いギターはソレナリの音しかしません。

でも、私ならこう言いたい。
グダグダ悩む前に(手が届くモノを)買っちゃえば?
安くったって、本物のギターです。
悩む時間が勿体ない。
早くコッチの世界へ、おいで♪ 
てな感じ、です。

この辺り、「ときたやすし」氏が、<http://junkguitarfactory.web.fc2.com/index.htm>の「コラム」でも書かれている通りだと思います(氏が仰られること、非常に強く同感です)。

確かに、1~2万円のクラスのギターは、安価な木材で加工精度もイマイチ、てなトコロがあるのは本当ですが、初心者に御託並べたってしょうがないでしょ。色々なギターの音の違いも、最初はわからないのが当たり前。自分が弾くようになって、初めて分かる所も多いものです。(違いが判らないから、高価なギターを買っても、それが本当に自分が欲しい音を出すモノとも限りませんし。) さっさと始めるに限ると思います。

買ったギターがストップテイルピース(要するにアーム無し)のギターなのに、好きなアーティストがアームを多用する、なんて場合は、チョーキングアップ~ダウンを使うなど、好きなアーティストのコピーにもやりようがあるってモノです

で、ギター1号機に限界を感じたら、それから良いモノを買っても良いんじゃないかな?

ギター2号機以降を買った後なら、1号機はサブギターとしても使えますし、興味がある人であれば分解調査/改造用にしちゃったって良いんです。それとも、ギター教の布教のため、始めてみたいという友人にチョイ安く譲っちゃうのも手です。

ただ、あった方が良いのは、ギターを知っている知人。まわりの人で、自分の目指す音楽を理解してくれる先輩がいればベストです。でも、周りにそういう人がいない人は…楽器屋の店員さんと仲良くなっちゃいましょう。楽器屋さんには大抵、ギターマニアな店員さんが1人や2人、いるものです。店員さんに、「ギターに詳しい方、いらっしゃいますか?」なんて言えば、ミュージシャン崩れの店員さん(失礼!)が大抵出てきます。自分の欲しい音が明確に分かっていれば、たとえば「××みたいなギターを弾けるようになりたいのですが、…」とかアーティスト名も挙げると、アコースティックギターであろうと、エレキギターであろうと、近い音を出せる店員さんが、必ず現れます。(笑)

ギターが弾けない人は、店員さんに、「△△みたいな音が出せるギターは?」とリクエストをして、店員さんに弾いて貰っちゃいましょうお、コレは行けるかも…と思えたらシメタものです。迷わず、買っちゃいましょう

ピックアップの種類(シングルコイルとかハムバッカーとかタップスイッチ付きとか)は、後で考えればどうにでもなります(そういう音を出したくなってから頑張って2本目を買う算段をつけるとか、1本目を改造するとか)

Web上では、「安いギターはソレナリの音しかしない」なんて書かれていますが、調整次第でビックリするほど良い音を出すようになったりします。

私の所有するジャンク・ギター2号機、TL-STD。
Fender Japan製なので「粗悪品ではない」のです
が、御本家(Fender USAのビンテージ物)には
どうしても敵いません。でも、ブリッジとネックを
調整しただけで、面白いほど「テレキャスター」な
音がするようになりました。弦が裏通しでない等
オリジナルと違う部分もあり、ハイポジションで
チョーキングをするとブリッジが泣くなどの不具合
もありますが、割り切って使えばちゃんとした
「テレキャスター」です。
ちなみに、定価は¥49,800-ですが、店員さんと
仲よくなれた為か、¥42,000-まで値切れました。
初心者でも頑張れば手の届く値段かと思います。

なお、写真を拡大して頂けると分かるかと思いますが、
このギター、傷だらけです。ストラップ・ピンが抜けて
アンプにぶつけたりしてカワイソウなことをしてしまい
ました(この時、ボリュームのジャックポッドのシャフト
が折れてしまい、自分で交換しました)。
が、自分の楽器となれば、それも「味」の1つ。
中古楽器市場での価値はほぼゼロかも知れません
が、「自分の声」を出す楽器の1つとなれば、それも
全然OKかと。

ここで、この「調整次第で」というのがクセモノなのですが、ギターに詳しい友人がいれば色々教えて貰うのが良いと思います。いない場合も、買った店にギターを持って行って(持って行って、というのが重要)、詳しい店員さんに調整の仕方を教えてもらえば良いでしょう。

安いギターしか買わなかったアナタも、
将来高いギターを買うかも知れない潜在顧客!
ちゃんと対応してくれる筈です。
そうでなくても、楽器のことを色々知りたいという
コアなお客様が相手です。(店員さんに応対の時間があれば、ですが)
マニアな店員さんは必ず喰いついて来ます。(笑)
要らない話も色々聞かされますが(苦笑)、
役に立つことを色々教えて貰えると思います。

初心者は聞くことを「恥ずかしい」と思うべからず! 聞くことのできたことの何分の1かでも血となり肉とすることが出来ればOKじゃない?

ジャンク・ギター1号機。
Fender JapanのMustang (MG-69/*後述)。
銀座山野楽器のオリジナルカラーです(パッと見には
Charカラーになっていますが、よく見るとPU SWや
ペグがCharさんの所有のMustangとは違っています)。
当時、Charさんみたいなギターを弾きたくて、外見
だけで買いました(笑)。チョーキングやアーミングで
簡単にチューニングが狂いますが(Dynamic Vibrato
の欠点)、このギターでしか出せない「味」があります。

一時期、PUをFender USAのLace Sensor PU (Gold)に
載せ換えてみましたが、ストラトキャスターみたいな
音になっちゃったので、結局、元のアルニコPU
戻しました。小さなポプラ材(*後述)のボディで、
メチャ軽です。

ちなみに、このギターも買った時は4万円位でした。
(値引き交渉して表示価格より安く買ったような。。。)
(当時、MGシリーズ=MG-65、MG-69等=ではこの色
通常のラインナップにはありませんでした。)

(*) ちなみに、Fender Japanから出ているMG-69は
ボディがバスウッドらしいのですが、本機は購入時
「ヴィンテージと同じポプラ材」と書かれていた
よう記憶します(ボディの塗装を落としてまで確認する
ツモリはありませんが(笑)、ボディを何処かにぶつけた傷跡とか
見る限り、バスウッド=かなりヤワイ=では無さそうです)
MG-65なら標準でポプラ材だけどコンター加工
(演奏時にに当たる部分を削ぎ落としてある)
が無い筈で、ペグも樹脂製になる筈なんだけど、
本機はコンター加工有、ペグが金属製とMG-69
の仕様になっています。PUの配置角度も(細かい
コトですが、MG-65とMG-69ではPUの角度が少し違うのです!
マニアックすぎてすみません。。)、ヘッドのデカール
MG-69の仕様に則っているので、山野楽器が
Fender Japanに特別にオーダーした楽器と
考えて良いのかなぁ。。自信無いのですけど。
なお、MG-69では、この色(VWH)はその後も通常の
ラインナップとしては売られていないようです。
今売られている色ではYWHが一番近いのですが、
そこまで黄色くないんですよね(細かい所を見ると、
部品類はMG-69/YWHとほぼ同じでフィニッシュ
だけVWHにした山野楽器オーダー品なのでしょう。

Fender JapanのHPでシリアル番号を見ても、
製造の年代が特定出来るだけで(本機は2002~
2004年製)型番まではわからないんですよね~。

余談ですが、先述の通り、今ではPUはオリジナル
に戻してありますが、サドルがKTS社製のチタン
サドル(元は鉄製)、トレモロアームはALL PARTS
社製のステンレス品(アームの「曲げ」の角度が
ヴィンテージMustangと同じにしてある物)に交換して
あります。勿論、オリジナルのパーツは保存してありますよ。

改造・部品交換などの履歴を語り出すと止まらなくなるな~(笑)。
その他、各機体の来歴とか製造工場とか調べ始めると、コレまた
楽しくて止まらなくなるのですが。

かく言うワタシ、1本目のギターがYAMAHA SG-1000で(1989年当時10万円)という高額なギターだったのですが(大学に現役合格したら買ってやるという親を拝み倒して、高いギターを買って貰いました/2~3年前に廃版になる頃には21万円という高額なギターになっていました)、これにオマケでつけてもらったアンプがWashburnの30Wの正体不明なモデル(今思うと明らかにMarshallもどき)。それでも最初は満足していました。貸しスタジオのMarshallの100Wに繋いだら音がクリアーで。んで、社会人になってから(つまり自分の可処分所得がある程度得られてから)、そういう音を再現したくなって手元のアンプもMarshall、Vox、Hughes & Kettnerと色々揃えてしまいましたが、最初はギターの音の違いとかアンプの違いとか、その辺りは判らないのが当然だと思います。

会社に入ってからFernandes、Fender USA、Fender Japan、Schecter、Gibson…とギターの方も増えて行きましたが、今では「出したい音」→「どのギター&アンプを使う」のイメージが(ある程度)明確に分かってきました。あと、シールド(ケーブル)の選択とか(初めてMonster Cableを使った時は衝撃でした…が、この時アンプがMarshallになっていたので初めて分かったというか)

奥深いこの世界、最初の1本だけで分かったと思うなよ!
みたいな。最初はあまり迷わず、
好きな音・好きな形のギターから始めて良い
と思いますよ!