2013年9月15日日曜日

生音のうるさいエレキギター!?

台風18号が来るのは明日じゃなかったのかよう。今日は朝から雨で、出かける気がしないぜ。てな訳で、今日もギターのお話。


最近、手持ちのエレキギター(ソリッドボディ)のうち数本で「生音がうるさくて夜弾けない」物が現れています。1本を除くとメイプルトップ+マホガニーバック、マホガニーネック、セットネックというギターなのですが、この組み合わせのギターって、枯れて来ると生音がデカくなるモノなんでしょうか?

仕方無いので、最近は夜練習する時はSTかTLばっかり弾いています。音が全然違うんですけどね。

さて。うるさいギターを4本ほど紹介しましょう。

①Schecter SD-II-24-AS

生音が最高にうるさいエレキギターです。

アッシュ材(現行品SD-II-24-BWのバスウッド材より鳴りが良い)にペラッペラの薄~いキルトメイプルを貼ったボディ(キルトメイプルは音には全然寄与していないでしょう)。ネックはメイプルで、よく見ると2ピースネックになっています(メイプルネック本体に厚さ4~5mmのメイプル指板がラミネートされている)

このギター、ボディもネックも鳴るのですが、特にネックがよく響きます。カンカンとウルサイギターです。夜には絶対に弾けません。高ポジションまですんげー弾き易いギターなんですけどね(このギターを弾き慣れちゃうと、他のギターが弾きにくくなる位/笑)

 
Schecter SD-II-24-AS。キルテッドメイプル+シースルーの紫(悪女のイメージです)
24Fまであり、FRT搭載。PUはH-S-H構成でタップSWでS-S-Sにも出来る。
ある意味「何でもアリ」なギター。まぁFRT特有の音がしちゃうので、LPやST、TLの代りにはならないんですけどね。ボルトオンネックなんだけど、ヒール部が巧妙に処理されていて(ジョイントプレート無し)、高ポジションまで凄く弾き易い。

※都合により写真からS/N等を一部消しています。

ネックは1回だけ外したことがあります(ギリギリまで攻めたセッティングにする為、一旦ネックを外してネック調整をした)。ボルトオンネックはネック固定のトルク1つで音が大きく変わるので、その後いじらないようにしています。

このギター、買ってから2年位した頃から突然「鳴る」ようになりました。木材が良い具合に「枯れ」て来たのだとも思いますが、生音でも近所迷惑なヤツになってしまいました。弾くと、ボディから身体に、ネックから左手に、響きがビリビリと伝わって来ます。が、このギターが良く鳴る理由はよく分かっていません。ボディがアッシュ材のギターって他に持っていないし、メイプルネックがそんなに鳴るモノでもないと思うし(ボディーはアルダーの方が鳴ると言われていますが、アルダーボディー+メイプルネックのBlackieはそんなに鳴るギターではありません)。

ちなみに、FRTって錆びそうな細かいパーツが多いので、このギターの金物は結構交換してあります。たとえば、ストリングロック(いわゆる「石」)は鉄からチタン(KTS社製)に交換してあって、鉄のネジ類も可能な限りステンレス(ESP社製)の物に交換してあります。でも、生音の大きさに影響しそうなモノって殆ど無いような…。

②Crews Maniac Sound、LP Standardモデル

CrewsのLPモデル。通常のラインナップに無い品ですが、上位機種(OST-LTDなど)の「良いトコロ」を引き継いだ作りになっています。型番を書くと、買った店(いつもお世話になっている店ではない)がバレるので、やめておきます(笑)。

形状はまさにレスポール・スタンダード。このギターは「コーン!」というか「パーン!」というか、そういう響きが特徴的です。③のGibson LP Customよりコンプレッションは弱めで、チョット高音が強い感じ。一定以上に歪ませるような使い方の場合は、Gibson LP Customのサブギターとして充分使える音なのですが、クリーン~クランチでは全然違う。まるで別物のギターです。てゆーか、オールドGibson風の音作りになっています(んで、③のGibson LP Customは現代版Gibsonていう感じ)。

 
CrewsのLPモデル。色は所謂「レモンドロップ」。退色したんじゃなくて最初からこの色なので、ピックガードの下やエスカッションの下だけ赤いなんてコトはありませんよ。よーく見ると、ボディバックだけでなく、ボディトップも2ピース構成となっています。こうすることでコストを抑えているんだろうなぁ。で、普通のLPと同じタイプのセットネックです。Gibson製のLPと同じく、15F辺りで急にネックが厚くなるので、高ポジで弾きにくいです。(苦笑)

このLPモデル、Gibsonのヒスコレ、あるいはオールドGibsonに近い音を狙った物なんだろうけど、見かけもオールド「風」にしてあります。マシンヘッドのノブは腐ったような(笑)灰色、ピックガードとかエスカッションとかは黄色がかった白、PUセレクタは飴色、ボリューム・トーンのノブは琥珀色っぽい焼けた色、ポジションマークまで白蝶貝がくすんだ茶色に着色されていたりします(それは不要だろう!/怒)

ボディトップはハードメイプル(アフリカンメイプル)、ボディバックとネックはアフリカンマホガニー、指板はインディアンローズウッドという、Gibsonのヒスコレ(Historic Collection)のコピー品です(Gibsonのヒスコレでは本当はボディバックとネックはホンデュラスマホガニーですけど)。でも、10万円台半ば(のちょっとだけ後半に入ったお値段)で、GibsonのLP Standardのヒスコレ(安くても30~40万円はする)のコンディションの良い物みたいな音がするので、実はかなり気に入っています。Gibson LP Customが現代風の音なのに対し、Crews LPモデルはオールドっぽい音がするので、例えば「けいおん!」の平沢唯さんのギターをコピーするなら、御本家GibsonのLP Customよりもコッチだなぁと勝手に思っていたりします(あのアニメでは、定価15万円(コミック版)/25万円(アニメ版)のGibson LP Standardを5万円で買うという無茶っぷりで、しかもそのLP Standardはトラ目入りのチェリーサンバーストという25万円でもまず買えないシロモノなのですが、あのギターの音をよく聴くと、もっと高価なオールドGibsonで凄く弾き込まれたヤツっぽい音がするんですよね…って、あのアニメは音を始めとした細かいネタまでマニアックに過ぎるのが面白いんですけどね)。プロのミュージシャンでも、スタジオでは内緒で「本物でない」ギターを使うことがあるようですから、このCrewsはそのような位置づけのギターになるのかも知れません。(プロ・アマ問わず、レコーディングとステージで全然違うギターを使うなんてよくあるコトですしね。)

フロントPUを外すと、PUキャビティ下部までネックが伸びた、所謂「ディープ・ジョイント」になっています。

PUはCrewsお得意の「SAY TONE」の「SLEDGE」。30万円以上する高級品ギターと同じものが使われています。コイルが均一に巻かれる機械巻きでなく、若干不均一に巻かれる手巻を敢えて採用することで、高音の反応を良くしているようです。最初はPUだけさっさと載せ換えようなんて思っていましたが、弾き込んでみたら、この音もナカナカ良い。てゆーか、本当にコンディションの良いオールドのGibsonみたいな音がするぞ、こいつ! Crewsさん、商売抜きで(半分以上趣味で)コレ作っていないか?!と思える一品、否、逸品です。

閑話休題。

メイプルトップ+マホガニーバック+マホガニーネックで、ディープジョイントとすることで、鳴りを追求している構造であることが解りました。買ってからの「枯れ」も手伝って、「鳴るギター」になって来たことがよくわかります。

あと、このギターはブリッジ(サドル)が旧式のTOM(Tune-O-Matic)となっていて、現代版(ナッシュビル型のTOM)よりもブリッジ自体が小さく、亜鉛のブリッジケース(クロムめっき)+真鍮サドル(クロムめっき)+アルミのテイルピース(これもクロムめっき)。コレも弦の振動を効率良くボディに伝える構造になっているでしょう(でも弦を外すとサドルやサドルを押さえている変なワイヤーが落ちる構造になっているのはイタダケマセンし、旧式のTOMってサドルを止めるネジがネック側に頭のある「押しネジ」になっていて、弾いているうちに少しずつですがオクターブチューニングが狂うという、現代の楽器として最早有り得ない作りだったりします…が、それでも好んで使う人って結構いるんですよねぇ…。本機を買った店のオニーサンは、御自身のLPの旧式TOMにネジロック剤を使ってオクターブチューニングが狂わないようにしていると言っていましたが、サドルのネジ部分なんかに変な有機物を絡ませると音が変わっちゃいそうなのでワタシはやっていないです)

音抜け(ピッキングしてからの反応性)はLP Customより良い位なんですけど、サスティーンはLP Customほどじゃない。ディープ・ジョイントはサスティーンにはあまり貢献していないのかも知れません(この辺りは、木材とか組み込みとかブリッジの質量とか、色々な物のバランスの上で成り立っているのでしょうけど)。

③Gibson (Custom Shop製♪) Les Paul Custom

Gibson USA Custom Shop製の2010年モノです。なにはともあれ、Gibson USAの逸品です。音的には「コーン!」というか「クーゥン!」というか。ややコンプレッションのかかった音で、中高音が強い、張りのある音です。勿論、LPらしく低音も「ズンズク」と良く鳴ってくれます(この高音から低音までのバランスの良さは、オールドのLPには無い出音でしょう、それこそ現代型LPという感じで)。

 
Gibson LP Custom。ヘッド裏面の下の方にCustom Shopのマーク入りです(えへへ)
ゴリゴリ弾いている訳じゃないけど、購入後1年半余り、最近「鳴るギター」になってきました。15F辺りから急に厚くなるネック。高ポジで弾きにくいですが、これはもう「Gibson LPの仕様」と思って我慢するしかありませんね。

フロントPUのキャビティを見ると、セットネックは、ディープじゃない(普通の)ジョイントであることが解ります。

ちなみにボディトップはアフリカンメイプル(ハードメイプル)、ボディバックとネックがホンデュラスマホガニー(うひひ、高級品ですわ)、指板はエボニーです。ブリッジはナッシュビルタイプTOM(Tune-O-Matic)で旧式より重い筈なのですが、弦の振動をボディによく伝えてくれます。

ディープジョイントでなくても「よく鳴るギター」になるんですね。木材の選定とかなんでしょうか?

④YAMAHA SG-1000

ワタシの最初のギターで、ぼちぼち四半世紀を迎えます。

前の3本ほどじゃありませんが、これもよく鳴るギターです。ボディはメイプルトップ+マホガニーバックで、ネックはマホガニー。指板はエボニー。LP Customとほぼ同じ構成です。ボディ形状はトップ材のアーチトップ形状も含めてLPと全然違う形だし、ネックもかなり薄めなので、LPとは根本的に鳴りが違う筈なのですが、…。

LP CustomともCrews LPモデルとも違う、「パリパリした音」がします(LP CustomやCrews LPモデルと比較して、生音もアンプからの音もそんな感じです)。生音は、メイプルトップ+マホバックに特有の、軽くコンプレッションのかかった音です。材が枯れて来た為か、張りがある音というより乾いた音(ハムバッカーでこういう音がするギターもあるんだなぁ…って、弾き比べてみるまであんまり意識していなかったけど)。なおかつ、サスティーンが非常に長い。昔SG-3000用に売られていたサスティーンプレートみたいなモノは付けていないんですけどね。Calros Santanaさんの「Europe」をやるには、このギターしかありません(笑)。←SantanaさんSG-2000 or SG-3000にサスティーンプレートを付けて、ギター自体のサスティーンに加えてアンプからギターのPUへのフィードバックも使った(「フィードバック奏法」)異常な長音なんですけどね。アンプからギターPUへのフィードバックなんて大音量を出さないと出来ないので、家ではまず無理ですけど。

 
SG-1000。色はチェリーサンバースト。今のラインナップ(SG-1820とか)には無い色。
上位機種SG-3000とかがスルーネックであるのに対し、SG-1000はセットネック。
まーこうして見ると普通のソリッド・ギターなんですけどね。ネックが厚くなるのは17F辺りから。LPよりチョビットだけ高ポジが弾き易いです。

フロントPUを外してみたら、SG-1000も(Gibsonで言うところの)ディープジョイントでした。
ボディの鳴りを効率良くネックに伝えられる構造です。
※ギターのボディ形状がダブルカッタウェイだったり、ネックが薄かったりするので、音というよりも強度を出すためにディープジョイントにしているのかも知れませんが…。

鳴りが良くなって来たのは(20年以上使って)ボディもネックも「いい感じ」に枯れてきていることもあるのでしょうけど、サスティーンの良さとかは、材質の選定・各部の厚さ・金物の設計(ブリッジの大きさなど)などといった、基本設計なんでしょうね。

ところで。このSG-1000は数年内にリフレットかなぁと考えているのですが(そろそろ限界が近い)、フレット打ち直すと、それだけで音が大きく変わったりするものなんでしょうかねぇ?


ところで。以上比較したギター、ハムバッカーばっかりですね(SD-IIはハム/シングル両方アリの蝙蝠野郎ですけど)。シングルコイルのギターも欲しくなってしまうのは、ある意味仕方無いかも知れませんね(FenderのJeff Beckモデルとか=セラミックマグネットのNoiseless PUなので厳密な意味での「シングル」コイルじゃないけど=、Fenderのアメスタとか)。あ、だからってそうそう簡単には買いませんよ!

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