2014年7月6日日曜日

ギターのネック仕込み角を調整‥‥‥せずに済んだ?

昨日親不知を抜歯した痛みをまだ引き摺っています。激しい運動はダメ、酒もダメ、熱い風呂もダメ、…とダメダメづくしなので、今日はギターいじりです。この他、水回りのカビ掃滅作戦を展開中です(ナカナカ良いストレス発散になります/笑)

◆Schecter SD-II-24-AS

Schecter Guitar Researchのギター、SD-II-24-AS(ボディ材はアッシュ)
もうカタログに載っていないモデルです(現行モデルのボディ材はバスウッド)

見た目はトップ材がキルテッドメイプルですが、ペラッペラのキルト材が貼られているだけで、メイプルトップの音はしません(苦笑)。まぁプリンテッド・キルト(キルテッド・メイプル風の印刷)でないだけ良いとしましょう(印刷ではなくて一応ホンモノの木目の模様なので、見る角度によってキルトのキラキラ具合が変化します)。にしても、この色、良いでしょ~?!

このギター、
  • ネックが薄く、弾きやすいです。
  • ネックジョイント部のヒールが綺麗に面取りされており、高ポジションまで弾きやすいです。
  • 24フレットまであり、音域が広いです。標準的なチューニングでも4オクターブ出ます。
    • 当然、フロントPUは24F位置からブリッジ側に移動しているので、フロントPUの音は他のギターとチョット違う音になってしまっています。記譜音では、下の音が、ト音記号で五線の下に線3本の下にくっついた「E音」(E2)、上の音は五線の上に線6本の上に乗った「E音」(E6)。実音表記では、ト音記号の五線の下に線7本の下にくっついた「E音」~五線の上に線3本の所の「E音」。
    • 多くのギターは21フレット or 22フレットなので、上の音ははC#=D♭音 or D音までです。
  • ピックアップ(PU)はH-S-Hの配置で、タップSWでS-S-Sの音も出せるので、Les Paul風の音もStratocaster風の音も出せます。
    • ブリッジがFloyd Rose Tremolo Systemなので、生音は木質というよりも金属質です。この他、木材の振動特性やPUの出力特性がLes PaulやStratocasterと違うので、よ~く聴くと「チョット違う」んですけど、1本のギターで色々な音が出せるのはナカナカに重宝です
  • TONEツマミに、通常のローパス機能(高周波数側のカットオフを調整できる)だけでなく、ハイパス機能(低周波数側のカットオフを調整できる)が付いているので、音作りの幅が非常に広いです。
    • タップSWをハムバッカーPUにして、TONEツマミをハイパスにして低周波数側を2~3割削り、ボリュームを5~7割程度にすると、ぱっと聴きカナリいい感じにLes Paul風の音になります。よ~く聴くと、メイプルトップ+マホガニーバックのボディ材のLes Paulとは「結構違う音」ですし、フロントPUは(PU位置が違うので当然ですが)カナリ違う音です。でも、音を歪ませてしまえば、あまり気にならない(笑)。
    • タップSWをシングルコイルPUにして、TONEツマミをローパスにして高周波数側を1~2割削って、ボリュームを7割~フルテンで弾くと、真に迫ったStratocasterっぽい音なります(ボディ材がアッシュであり、Stratocaster(の高級機種)に使われるのと同じものなので、音響特性も少し似ていますが、サスティーンはFender純正ギターより長いです)。
と、なかなかに「潰しの利くギター」です。ブリッジがFloyd Rose Tremolo Systemなので、音がちょっと金属的だとか、フローティング・ブリッジなのでダブルチョーキングしにくいとか(弦を1本チョーキングすると、他の弦がビロビロに緩んでしまう)、ソレナリに欠点もありますけど、この辺りは「弾き手の問題」だとも言えます。「レコーディングにはLes PaulやStratocasterを使うけど、持ち歩くのはSD-II」、みたいな。出先で弦交換となるとチョイと面倒なんですけどね(笑)

24Fまであるギターの音域(記譜音)

24Fまであるギターの音域(実音)

※変則チューニング(6弦ドロップ等)で低音側を何音か広げたり、24Fでチョーキング(ベンディング)して高音側を1音~1.5音広げることは可能です。6弦を瞬時にドロップチューニングに変える「D-Tuna」、チョット欲しいカモ(笑)。

とにかく使いやすい・弾きやすいギターなのですが(こればっかり弾いていると、他のギターが弾き難くなる/笑)、少し前から弦高がちょっと高いかな~と感じていました(「録れコン2014」の作品作りをし始めた頃(冬頃)でしょうか)

さて。ワタシは、ギターのネック・弦のセッティングは、
  • わずかに順反り(ぱっと見は殆ど真っ直ぐ)
  • 弦はビビりの出ないギリギリの低さ
を好みます。が、このSD-II-24-ASは、割とスタンダードな弦高(ワタシの好みよりチョイ高い)にセッティングされています。ネックはかなりシビアに調整したつもりですが(テンションロッドの調整にはネックを外す必要があり、ちょっと面倒臭い)、ネックの仕込み角までは調整していませんでした。

◆ネックの仕込み角の調整?

Fender系のギターやコピーモデル、Fenderベースのカスタム・ギターの多くは、ネックはボディにネジ固定されています(こういうタイプを、ボルトオン・ネックとか言います)。ここにシム(スペーサー)を挟むことで、ネックの仕込み角等を多少調整することが出来ます。本来、この仕込み角は、ボディとネックの加工精度で殆ど決まる所で、経年変化や好みに合わせて微調整するべき箇所です。が、安価なギターの中には、ネックポケット部に最初からボール紙等のシムを挟んで製造時に仕込み角が調整されている物もあります(ボディとネックの振動伝達にモロに影響する箇所なので、紙はないよなぁ~、とワタシは思いますけど)。

【注意!】 ネックの固定ネジは、ちゃんとトルク管理を行うべき所です。ネジの緩め方や締め方にも、ボディやネックの木材を傷めない為の「御作法」があります。よく知らずに適当にいじって大切なギターを傷めても当方は責任を取れませんので悪しからず御了承下さい。
※「えっ、何、それ?」と思った人は、手を出さない方が無難です。プロに任せましょう。
※高価なギターに野心的な改造を施してしまうロックな人生も良いかも知れません(なぜかワタシの知人にはこのタイプが多いようです)。でも、1万円以下の“初心者向けギター”(?!)や、HARD ○FFなどで数千円で売っている中古エレキギター(壊してしまってもあまり惜しくない)をいじり倒して経験値を上げてからトライしてみても良いのではないかなぁ、とワタシは思います。

ネックの仕込み角調整の例

で。ネック自体は殆ど真っ直ぐ(僅かに順反り)で、調整の余地はありません(これ以上順反りを無くすと低ポジションでビビりが出てしまう)。となるとネックの仕込み角の調整となります。

【注意!】 御自身のギターを調整するのは各自の責任で行って下さい。御自身の技術に不安のある方や、高級ギターをお持ちの場合は、プロショップへの調整作業依頼をお勧めします。

今回はヘッド(糸巻側)が若干低くなるように、ネックポケットの奥側にシムを挟みます。シムの材質は色々な物が使われるようですが、Fender系のギターでは黄銅(真鍮/しんちゅう、ブラスとも言う)がよく用いられるようです。吹奏楽器にもよく使われる材質ですし、振動特性が良いのかも知れません。

では、必要なシムの厚さを計算する為、さきほど弦高を測ってみました。「ネックの仕込み角が〇○度変わったら、弦高は各フレット位置でそれぞれ△△mmになる…」の計算は、全然難しくありません。必要なのは、三角形の相似形の計算「だけ」です(細かいことは面倒臭いので書きませんケド)

現在の弦高(左:Schecter SD-II-24-AS、右:YAMAHA SG-1000)
※SG-1000もかなりシビアにセッティングしてあります。

あれれっ?! Schecter SD-IIの方も充分「アリ」な数字です(本当に弾きやすい弦高より少し高めですけど)。そう言えば、春頃から弾きやすくなってきたんですよね、このギター。

以前(昨冬だったかな?)、同じように弦高を測って必要なシムの厚さを計算した時は、適正な厚さは0.12~0.13mm(ネックポケット奥側のみにシムを入れる)が適正であることがわかっていました。ちょうどビールのアルミ缶の側面部分と同じ厚さだなぁとか思っていたのですが(大切なギターにそんな乱暴な工作はしませんてば/笑)、そんな厚さのシム(薄板材)は近所のホームセンターでもなかなか売っていないので、作業を先延ばしにしていたのでした。

‥‥‥そうこうしているうちに、季節変動で弦高が下がってきたようです(15F辺りから上の高ポジションは弦高が高く、まだちょっと弾きにくいですけど)。ギターは木材ですから、経年変化+季節変動(温度や湿度の影響)があるのでしょう。

という訳で。今回は測定・確認しただけで、ネック仕込み角の調整作業は無しです(そこまでやるほど弾きにくくはない、という意味です)。このギター、ブリッジがFloyd Rose Tremolo Systemだとか、ナットがロック式だとか、弦交換だけでもチョット面倒なギターなので、余計な作業をせずに済んだのはメデタイことです。寒い時季に「弦高が高いよ~」とシムを入れてしまったりすると、暑い時季に「弦がビビるよ~」と今度はシムを抜く羽目になるところだったかも知れません。ネックジョイント部の固定ネジ(木ネジ)はネック(メイプル材)に直接ねじ込まれているので、ココの木材の摩耗とかを考えると、頻繁にいじる所ではないんですよね(…と考えると、ネックを外さないとテンションロッドの調整が出来ないギター/ベースって、頻繁に調整するようには作られていないと考えるべきなのかも知れません)

今回は、ギターの寿命を縮めずに済んだ、というお話でした。ちゃんちゃん♪

…でも、やっぱり高ポジションは弦高がちょっと高いです(24Fもありネックジョインのヒール部が削られているのに、高ポジで弾き易くないのはやっぱり「宝の持ち腐れ」です)。再度、最適シム厚を計算し直して、「やっぱりシムを挟む」になりそうな気がします。

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