2013年11月20日水曜日

雑談:Steve Jobs氏の成功の本質…ってホドでもないのですが?

先日iPad miniの新製品(Retinaディスプレイ、A7プロセッサ)を発表したApple社ですが、Steve Jobs氏の後を受け継いだTim Cook氏が中心となって、「面白い物」の開発に本気で取り組んでいるようです。このApple社の起業者の1人、Steve Jobs氏の成功のポイントって何なのか、少し考えてみました。色々な人がとっくに行なっている話題ですから(しかもワタシなどよりずっと真面目にキチンと分析しています)、単なる雑談だと思って頂けましたら幸いです。

さて、ワタシの結論から言ってしまいましょう。
  • ソコソコ実用的に使える面白いオモチャ(と言っては失礼ですが/笑)の開発
  • 幅広い信者(→無償で働いてくれる宣伝マン、広告塔)の創出
この2点に尽きると思います。


◆ワタシがApple製品を使い続けている理由

ワタシがApple製品を買うようになった理由。学生時代にも社会人になってからも、Apple製品(Macintoshコンピュータ)に触れる機会は数多くありました。これだけで既に充分な理由かも知れません。が、ワタシが初めて自腹でiBook+iPod(ごく初期のもの)を買った理由。それまでの何年かの経験というよりも、単に面白そうだったのと、身近な人からワンダホー♪な体験をさせてもらったこと(iPodを週末丸々貸してもらいました)。昔はiPodを使う為にはコンピュータも必要でしたが、当時の選択肢はMacのみ。という訳でMacシリーズの中ではお安い部類になるiBookとしたのですが、それでも合計すると、どう考えても単なる携帯音楽プレイヤのお値段ではありません。それでもペイすると思った理由は、次の2点です。
  • どうしても、週末に味わったiPod体験を自分のものにしたい!
  • iBookも何だかカッコいい!(iTunes以外色々使ってみたいじゃん♪)
次に、ワタシがApple製品を使い続けている理由。昔も今も、時々家電屋さんを覗いてApple以外の物も色々いじくっるのですが(仕事とかじゃなくて、単に面白いから/笑)、その上で気付いたのが、以下の2点です。
  • iPod/iTunesは使い込むほど快適性を増すので、他社品に乗り換える必要がない
  • コンピュータ間の互換性
前者「使い込むほど快適」は通常の意味での技術力や製品性能の差ではありません。その1段上です。後者「互換性」は2つあります。まず、データ互換性。当初ベルリンの壁のように厚かったのですが、今ではほぼ無くなりました(東西冷戦終結後のように、様々なデータ・情報がMac-Win間を行き来できます)。ただ、アプリの互換という相変わらずブ厚い壁は残っています。Mac用アプリ(特に変テコに面白いヤツ)を使い出すと、やっぱり手放せないんですよね。このMac用アプリにも、使い込めば使い込むほど快適に使えるようになるという、鎧が脱げなくなる変な魔法がかけられています。データ互換の壁が無くなったお陰で、データはMacとWinの両方で使えるようになりました。データはMac-Winを行き来出来るので、データ生成がMac以外である必要が無くなったのですよね。必要に応じてMacアプリとWinアプリを使いわければ良いだけです。

かくして、ワタシはApple製品を使い続ける、妙な無限ループに陥ってしまったのです。我々Apple信者は、何度か教祖様に裏切られて来たはずなのに(特にCPUやOSの大幅な変更時)、なぜか信仰は薄まりません。

ワタシはこれまで、身近な小物にせよ何にせよ、特定メーカ品を長年使うことは少なかったと思います(例えば、“ソニータイマー”が切れたら今度はパナソニック、次は東芝、みたいな/笑)。そんなワタシがApple製品を10年以上一途に使い続けているのって、かなり異常な状況です。Apple製品を使わない理由はどんどん無くなって行き、スイッチング・コストは高まる一方です。

◆身近なAppleの宣伝マンたち

皆さんの身近に、iPhoneやiPodといったApple製品を使っているユーザってソレナリに多いと思います(御自身が使われている場合も含めて)。また、音楽をお仕事とされているアーティストの方々の多くにも、iPodを日常的に使っている方が多いですよね。音質的にも他の面でも、彼等が仕事で使う器材は別の物なのでしょうが、普段使いはiPodで充分という訳です。つまり、プロの人たちにとっても、iPodはソコソコ実用性を持ったオモチャな訳です。(プロが多く使うDTM/DAWのMac率が高く、これと相性の良いiPod…はあるかも知れません。) ちゃんと音楽を聴く時はCDプレイヤ(人によって高級オーディオ)という人も、持ち歩くのはiPod。パソコンも必要に応じて、Win PCとMacの使い分け。完全な実用品にはならなくとも、ソコソコの実用性を持つ製品として、しっかりApple製品が入り込んで来ています。

この傾向、実は初期のApple製品から見られます。パソコンの黎明期から、積極的にGUIを搭載。ネットワーク時代のずっと前から、積極的にネットワーク機能を搭載。当時のGUIって非常に「重かった」ので、実用的にはROM-BASICやDOSの方が勝っていたでしょう。当時のネットワークって色々と「面倒臭かった」ので、実用的にはフロッピィ等の外部メディアでデータをやりとりする方が効率的だったでしょう。でも、Macで出来ることの多くは、他のコンピュータでは出来ませんでした。また、多少面倒でも使いこなしていること自体が、理系人間(当時のユーザ層の大きな部分)ステイタスでした。つまり、当時からApple製品はクールでワンダホーなオモチャだった訳です。そして、使えば使うほど手放せなくなる。つまり、体験がユーザを縛り付ける。使いこなしていたのは、ただの信者ではありませんでした。熱狂的な信者です。(Appleユーザが増えるほど“狂信者”の率は減っているでしょうが、その存在は確かです。)

我々の身近なAppleユーザや、我々が憧れるアーティストのAppleユーザたち。彼等ユーザ=信者の人たちは、意識的にせよ無意識的にせよ、自分と同じオモチャを使う仲間作りに励みます。皆、無償で働いてくれる宣伝マンです。10何年か前に、私に週末iPodを使わせてくれた人なんて、デモ品を無償貸与して新たなユーザにワンダホー体験をさせようとする、セールスマンそのものです(私が借して欲しいとお願いしたのではなく、“使ってみて♪”と貸してくれた、というのがその実態でした)

信者が増えれば増えるほど、爆発的感染(パンデミック)は続く訳ですが、コンピュータ(Mac)に続いて携帯音楽プレイヤ(iPod)、そして携帯電話(iPhone)。この3分野ではApple製品は充分に“蔓延”したと言えるでしょう(市場が概ね均衡状態)。現在、タブレット端末としてiPad(iPad Air+iPad mini)の流行を起こそうとしているようですが、どうなるでしょうか? そして、その次は何が来るのでしょう?!

◆Steve Jobs氏がいないApple社

衆知の通り、Steve Jobs氏はその経歴の中で、一時期Apple社から追放されていた時期があります。この間、Jobs氏はApple社とは違う所で、やっぱりワンダホーなことをやって各分野に熱狂的な信者を生み出してきました。その一方で、Apple社は大コケしているのですよね。そして、Apple社はJobs氏がトップに返り咲くなり、一気に業績を回復→向上させてしまったのですから、凄かったです。そういった実績が、Jobs氏に魅力というよりもある種のの魔力を与えていたのは確かでしょう(身近な人にとっては、かなり「めんどうくさい人」だったらしいですが)

さて、Steve Jobs氏が亡くなって暫く立ちますが、この間のApple社、結構危ういですよね。Steve Jobs氏(とSteve Wozniak氏、そしてRon Wayne氏も忘れてはイケマセン)が作ったAppleのDNA。実用的なオモチャの開発と熱狂的な信者の創出。Apple社が今後どれ位安定して行けるかを決めるのは、この2点に尽きるのではないでしょうか。

今、iPad。そして、次はどう来るのでしょうか、Appleさん?

◆オチ、でもないのですが

Apple製品の無限ループ、当面は嵌まったままで良いと思ってしまっています。「爆発的感染(パンデミック)」なんて書いてしまいましたが、病原性どころか、我々の生活の質・快適性を増します。この辺りで、ワタシはJobs氏らのクリエイター(アーティスト?)としての妖しい魔力の虜になっているのかも知れません。

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