2013年11月13日水曜日

雑談:絶対音感

◆絶対音感

「絶対音感」のある人って時々いらっしゃいますが、音楽やる上では非常に羨ましい能力ですよね。でも彼ら/彼女らって、前世紀までのアナログ時代ってどうやって生きていたのでしょう? テープレコーダーやアナログレコードって速度が安定しないので、どうしてもピッチが揺らぐんですよね。そういう時代、絶対音感を持った方は色々と苦労もされたことでしょう。

現代では標準周波数をA=440Hz(ピアノの鍵盤の中央チョイ右の「ラ」)とすることが多いようですが、意図的にずらすこともありますし(CASIOPEAは初期A=442Hz、途中から441Hzになった気がします)、止むを得ない都合によりずらすこともあります。たとえば、管楽器は同じモノでも気温の高低により出る音も上下します(何Hzか変動します)が、管楽器のチューニング可能な範囲ってあまり広くないので、吹奏楽とかでは、夏チョイ高め、冬はチョイ低めにずらしちゃうことが多いようです。管楽器って、冬は吹いているうちに息で楽器が温まって来て音が変わっちゃうので、苦労している友人が結構いました。ま、ワタシは打楽器だったので苦労知らずなんですけどね(笑)。


◆デジタル化時代における絶対音感

ワタシにはこの「絶対音感」がありません(ソコソコの「相対音感」は親がくれました/笑)。ワタシがギターを始めた頃は、ギターのチューニングには「音叉」というアナログなアイテムを使っていましたが、今では実用的に使えるデジタルチューナーがかなりお安くなりましたので(2000円位~)、最近はワタシも当然のようにこれを使っています。

音叉。
ヤマハさんのマークは、これを組み合わせたもの。

さて。ワタシには絶対音感が無いと書きました。でも、絶対音感モドキとでも言うべきモノがあるみたいです。これ、どうやら
  • 音源
  • プレイヤ
の両方がデジタル化されたために成り立っている能力モドキみたいです。ソコソコの「相対音感」があるワタシは、聴いている音楽に合わせて自分の耳をチューニングし直しているようなのです。今では音源もプレイヤも殆どデジタルなので、我々は日常的に概ねA=440Hzにチューニングされた音に包まれています。で、そういう音に囲まれているので、(数日チューニングし直していない)ギターをちょっと弾くだけで、チューニングのズレが結構判るのですよね。で、デジタルチューナー君と意見が一致することが多いです。ワタシの耳はアマチュアレベルではそこそこ信用出来るようです(笑)。

但し、相対音感で何となく自分をチューニングし直しているだけなので、音質の悪い古いジャズ音源とかをチョット聴いた途端、メッチャ音痴!になっちゃうんですよね~(汗)。


◆以下余談(映画に出てきた音叉)

10年近く前の映画ですが、「スウィングガールズ」(2004年)というのがありました(Amazonさんの所.)。あの映画の中で、主人公たちがチューニングに使っているのは、この「音叉」です。懐かしいアイテムでしたね。

演奏大会に遅れて到着した主人公たちはドタバタの後、ステージ上でチューニングを始めます。
普通は舞台裏で済ませてしまう作業をステージ上で始めた訳ですから、観客の一部は状況がわかりません。ステージ上が

混乱状態
(ドタバタ)
統一行動
(全員が「プー」と同じ音を出し始める)

となった少し後、客席側が

統一行動
(静かに演奏が始まるのを待つ)
混乱状態
(ザワザワし始め、メンバーの母様が「ガンバレー!」と大きな声を出してしまう)

と対照的な変化を見せます。で、この時客席にいた主人公と同じ学校の別の部(吹奏楽部)のメンバーが、

「チューニングしてるんだよ…」

とボヤいて、聴衆に解説するシーンがありました(この功で彼はモブキャラから解説者に昇進しました/笑)

音叉を使ってチューニングを始めたと瞬時に理解できた聴衆(ワタシらですな)は、ステージ上の主人公らと一緒の人。ステージ上で何が行なわれているのか理解できない聴衆(特にデジタルで今ドキな方々)は、客席と一緒の人。客席の皆さんに、ボヤキでちゃんと解説してくれるのが、なかなか上手な作りだと思いました。

実際には音叉はチューニングがどうズレているのか教えてくれませんので(電子チューナーは教えてくれます)、ある程度「良い耳」を持っていないとチューニングできません。なので、本来、1本の音叉から始めて全員がビシッとチューニングを合わせるのは結構難しいと思いますけど。


それにしても、あの音叉を使うシーン。我々世代に、強烈な「過去へのタイムマシーン」(笑)を与えてくれましたよね。

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