2014年11月18日火曜日

断線したギターシールドを再生♪

少し前に報告した通り、今使っているギター用シールドケーブルは、Analysis Plus製「Pro Yellow Oval」です。以前書いた通り、このシールド、すんげー音が良いです。Les Paul系(ハムバッキングPU)では“ギラギラ”した音、Stratocaster/Telecaster系(シングルコイルPU)では“チャキチャキ、チョリーン”な音、と言えば良いでしょうか(エレキギター弾かない人には全然伝わらないだろうなぁ/笑)。また、被覆は非常に頑丈。踏みつけたり少々乱雑に扱っても大丈夫です。でも、弱点もあります。

それは、プラグの根元部分(熱収縮チューブによるストレインリリーフ部分)が脆弱だということです。アンプ側に変な力がかかることは、…まぁ、あまりないのですが、ギターに挿し込む側は曲げ・引っ張りの応力がかかりやすい場所です。どうして、もう少し丈夫に作っておいて頂けなかったのでしょうか。
  • この他、端子部のCr(クロム)めっきが薄く、すぐ剥げるというのも(特にHot端子先端)、弱点といえば弱点です。
ワタシの場合、使い始めて数ヵ月で、ストレインリリーフのプラグ根元部がプカプカしてきました。触診したところ(医者じゃないってば/笑)、心線が塩ビ被覆から飛び出してしまっているようです。

この辺がプカプカになってしまいました

このプカプカ症状が出始めても最初は音には特に問題がなかったので、そのまま使い続けていました。でも1週間位前から、音が出ないトラブル発生! うわちゃぁ、断線かっ?!

しかし、庶民にはお安くない高級シールド(市価¥16,000-くらい)再生できるものなら再生してしまおう!貧乏人根性を発揮です(鍵盤みたいにステレオで2本1組の場合、片側だけ修理すると色々とバランス崩れるのですが、ギターは元がモノラルなので、左右チャネルのバランスとか気にしなくて良いのがラクです/笑)。修理の方針は以下の通り:
  • 心線の断線だったらケーブルを短くして再生する
  • プラグ部での断線だったら半田付けし直して再生する
んで、直せなかったら元々、というダメ元作戦です。

本来なら古い熱収縮チューブは切り開いてしまい、新しいチューブを使うところです。が、このチューブ、ゆっくりズラしていくことが出来ました。
  • 熱収縮チューブが被覆に密着していなかったことになりますが、反対側(断線していなかった側)のチューブはバッチリ密着しています(ズラそうとしても全然動かない)。ということから、いつもギターに挿し込んでいる側だけ、密着が解けてしまったようです(塩ビ被覆とプラグが離れて心線が出てしまう過程でこうなったのだと思います)。
やっぱり塩ビ被覆から心線が引き抜かれた状態でした

これだけでは本当に断線しているかどうかわかりません。なので、次はプラグを開きます。

プラグの中で、Hot線がスパッと断線していました。
良く見るとシールド-Gndもか細くなっています。

どう見ても、心線が引っ張られて断線しています。が、これは心線の先端をチョット切って半田付けし直せば直せる症状です。手順としては、大体以下の通りです:
  1. 再半田にも必要なので、配線をよく見ておく
  2. 半田部付近で心線を切り取る
  3. 半田ゴテを当てて古い半田と配線を除去する
  4. 心線を適度な長さで切り、先端の被覆を剥いて、半田付けし直す
ちなみに、多くのギター用シールド・ケーブルは大抵(他の楽器用も)、
  • Hot → 心線
  • Gnd → 編組(Shieldを兼ねる)
という同軸形状になっていますが、Analysis Plusは違います。HotとGndが平行になっていて、この両方を包み込むようにシールド編組が配置されています。

Pro Yellow Ovalの心線

写真で紫がHot、黒がGnd。これを囲むようにシールド線(編組)。
  • Anaysis Plusのケーブルの構造はAnaylsisPlusのWeb Pageで公開されているから、ここに写真載せちゃっても良いよね?
で、この心線を適切な長さに切り直して、半田付けし直しました。配線は元の通りです。Analysis Plusのケーブル、線材側では、Gnd線とシールド線は分けられています。でも、半田付けの際にはケーブル側のGndとシールドを一緒にして、プラグGndに接続します。ワタシの小学生並みの理解度では「心線にはGnd要らないじゃん!」なのですが、Analysis PlusではこのGndとシールドをわざわざ分けて繋ぐことで音を良くしているらしいです。オーディオのアナログ配線の世界はよく解りませんが、もしかしたらPUのColdとGndを一緒に接続するのと似た考え方かも知れません。
  • PUには3線タイプの物があります(Hot, Cold, Gndの3線)。PU内部ではHot線とCold線は対の信号線になっていて(コイルに巻かれた電線の+/-です)、Gnd線はノイズ防止用の金属箔or金具に接続されています(信号は来ない)。Cold線とGnd線の役割は違いますが、ギター側では多くの場合、ColdとGndとの両方を一緒に接地接続します(そうでない場合もあります;たとえば、S-1スイッチ等のシリアル/パラレル切り換え回路に繋ぐ時は、ColdはGndと分けて配線することもあります)。
再半田作業後、絶縁シート・プラグカバーを戻す前

半田付け後、プラグカバーを戻して確かめたら、一発でイイ音が出るようになりましたよ♪ てゆーか半田付けのミスなんて滅多にやりません(←たまになら、まぁ、やらかします/笑)。楽器用ケーブルは電流・電圧とも低いので、ソレナリに繋がっていれば良いですしね。 ⇒半田接続の品質が音質に影響すると聞いた/読んだことがありますが、ワタシゃそんな高級な耳は持っちゃいません。さらに、半田の種類(合金組成)で音が変わるという人もいます。ワタシ自身の実感としてはよく分からないまま、オーディオ用半田を使っています。ちなみに、熱収縮チューブが少し緩んでいた所は、ヘアドライヤーで加熱→再収縮です(気休め程度かも知れませんが)

  • PU換装よりははるかにお手軽な作業内容でした。

高級シールド、2~3cm短くなっちゃいましたが、元の長さが3mなので誤差の範囲ってことで(笑)。っとりあえず、再生成功!です。

以上の通り、高級シールドをコストをかけずに再生しましたよ…というのが今日のお話です。もう1本買わずに済み、余計な出費は無しです。本当は予備品も買ってあるんですけどね(笑)。予備品は当面、未開封のままにしておけそうです。

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