2016年10月23日日曜日

雑談:音叉を使ってチューニングする人って絶滅危惧種?

最近どうも、PC作業による腱鞘炎気味。という訳で、本気度半分(残り半分は冗談)で、1日のテキスト入力量を測ってみました(Wordやメールを全部1つのテキストファイルにcopy & pasteして、ファイルサイズを確認)。デスクワークの多い日は、1日に50~60KB程度。空行とかも数えちゃっていますが、日本語テキストで概ね2万5千~3万文字。各種ショートカット入力(文字入力中はマウス/タッチパッドはあまり使いません)・カーソル移動・推敲作業も含むと、たぶん1日に10万回位のキーストローク。これでは腱鞘炎ぽくなっても仕方無いデスネ…。
  • 平均250ストローク/分として、8時間で12万ストローク。カナリ雑な計算ですが、概ね合っていそう…。
ちなみにワタシ、フリック入力は非常に遅い人です(調子が良い時でも15~20文字/分程度でしょう、ついPC等のキーボードに頼ってしまうので、フリック入力は全然上達しません/笑)。効率・慣れの両面から、機械式キーボードは手放せません。だから、iPadにもSmart Keyboardが必須なのです(iPadのソフトウェア・キーボードはフリック入力ではなく、QWERTYキーボードを模したタイプですが)
  • ガラケーの頃からそうですが、小さい画面を見ながらチマチマ入力するの、どうも慣れません。なので、ケータイメールはかなり遅筆、筆不精(笑)。PCでの入力はマシンガンと言われることもありますが、コレはたぶんスピードではなくてタイプ音がデカいことが問題なんだろうな(爆)。
  • ワタシの周りを見ると、ピアノ等をやっている人にはPCキーボードのタイプ音がデカい人が多い気がします。これは、指の力が強化されているからでしょうか? それとも、耳が大音量に慣れているからでしょうか?(笑)
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閑話休題。

2週間前(10/9日)、銀ブラ~ヤマハで極上ギターを試奏させて貰った…という話を書きましたが、その時のことです。そこで見たのは、とても懐かしい光景。それは、音叉を使ったチューニング。最近は楽器屋のスタッフさんでもチューナを使う人が増えました。音叉、見なくなったな~。でも、先日の銀座ヤマハでは、昔(中学生の頃でしょうか)音楽室で見たようなデカい音叉(A=440Hz)、この音に合わせ、5弦の4倍音を合わせ…という方法。他の弦は、この音を基準に合わせ込んで行きます。
  • ワタシも小さな音叉を持っています(1,000円以下の安い物ですが)。最近あまり使っていませんが、電池切れが無いとか、壊れにくいとか、エレキギターのピックアップ(PU)に近付けるとアンプから基準音を出せるとか、メリットもたくさんあります。という訳で、クリップチューナー(変則チューニングで必須)と一緒にギターケースの中に忍ばせています。…が、実際にセッションをする時は、一番調律しにくい楽器(大抵はピアノ)に合わせることも多く、音叉・チューナーいずれも用無し…なんてコトも(笑)。
ギターのチューニングでよく使うハーモニクスポイントは、以下の3つでしょうか。
  • 第5フレット(5F)の辺りは弦長の1/4の場所なので、ココを軽く押さえてピッキングすると、波長1/4の倍音、つまり周波数が4倍(原音の2オクターブ上)の音が出ます(この音の出し方を「ハーモニクス」と言います←「ナチュラル・ハーモニクス」とか「オープン・ハーモニクス」とか言って、「ピッキング・ハーモニクス」と区別することもあります)
    開放がA2音の場合(ギター5弦の場合)、A4音(2オクターブ上)。
  • 7Fの辺りは弦長の1/3、ハーモニクスは波長1/3、つまり周波数3倍の音。
    開放がA2音の場合、E4音。
  • 4Fの辺りは弦長の1/5、ハーモニクスは波長1/5、つまり周波数5倍の音。
    開放がA2音の場合、F#5音。
レギュラーチューニングの場合、1弦=E4、2弦=B3、3弦=G3、4弦=D3、5弦=A2、6弦=E2に合わせます。開放弦の音と、ハーモニクス(弦長で決まる基音の整数倍の周波数)を使った調律では、以下の3段階が普通でしょうか。




ところで、ハーモニクスによる調律は「純正律」的方法です。が、ギターは「平均律」の楽器なので、純正律から若干ズラす必要があります(ピアノの調律もそうするらしいです)ギターで一番ズレが大きいのは、3弦の4Fハーモと2弦の5Fハーモ(2弦~3弦の間だけ音間隔が長3度で、他が全部4度なのと違うのが原因)。ここは、実用的には、1弦開放=5弦7Fハーモ、2弦開放=6弦7Fハーモ、で合わせてしまった方が速いかも知れません。


ワタシの場合、幸運にも実家にアップライトピアノ(ギターと同じ平均律楽器)があったので、音を聞き比べながら、ハーモニクスからどの程度ズラすのかは自然に身につきました。が、音叉1本でキッチリとチューニングするのは、最初は難しいかも知れません。慣れないうちは、ポータブルキーボード等でも良いので、基準音となる他の楽器も使うのが良いかもです。

ちなみにエレキギターの場合:
  • 音叉をピックアップ(PU)に近付けるとこの振動も拾ってくれますので、デカい音(or ヘッドフォン使用)でも楽々チューニングすることが出来ます。
  • 5FハーモはフロントPUでは拾ってくれません(大抵のエレキギターはフロントPUはブリッジ側から弦長の1/4の所に付いているので、ちょうど「節」になって弦が振動しない場所なんですよね)。リアPUを使いましょう(フロントPUしかないギターの人は…諦めて生音でチューニングして下さい/笑)
  • ギターアンプのゲインを上げると、2音のピッチのズレによるウナりも強調されるので、チューニングが少しだけ簡単になります。
…みたいなマニアックな話で、銀座ヤマハのスタッフさん(ワタシより年上だと思います)と盛り上がってしまいました、というのが今回のお話でした(雑談モードの時も指は止まらず、コードとか適当に爪弾きながらでした;貴重なお話のうち何割かは耳を素通りしているだろうな~/笑)

ちゃんちゃん♪

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以下補足:
  • 上記、音名の後にオクターブ番号を付けていますが、あくまで目安と考えて下さい。クラシック畑の人は、ピアノの真ん中付近の「ド」、楽譜で言えばト音記号とヘ音記号の間にいる「ド」(middle C)を「C4」と表記する人が多いですよね。この場合、ピアノ(88鍵)の音域はA0~C8。一方、DTM系の人は同じ真ん中の「ド」を「C3」と表記する場合もあり、時々混乱します(この場合はピアノの音域はA-1~C7; MacのGarageBandなんかがまさにこの仕様で、「真ん中のド」のツモリで「C4」を入力すると、「上のド」が鳴っちゃう/涙)
  • ギターやベース(コントラバスも)は、実音が記譜音の1オクターブ下だったりして、さらに混乱します(ワタシ、ヨク間違エマス/笑)。そーゆー意味では「移調楽器ではない楽器」って、少ないのかも知れません(ピアノ、リコーダー(縦笛)、クロマチックハーモニカ、位しか思いつきません)
  • 電子ピアノやシンセサイザーの中には、純正律音階を出すことが出来る物があります(私の使っているヤマハP-80もそうです)。が、ワタシの場合、ガキんちょだった頃からポピュラー音楽(平均律)で耳が慣らされちゃっているので、純正律音階を聴くと(クラシック音楽に多い)時々ビミョーな気分(笑)。ヴァイオリン系のフレットの無い楽器では、純正律と平均律を行ったり来たりする奏者もいると聞きますが、どう鍛えればそういう耳になるのでしょうか?
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以下蛇足:

ワタシの説明、どうにも理系臭が強い(笑)。ワタシには文学的表現能力が足りない? まあ実際問題として、音楽って算数/数学的要素が大きいと思うのですけど…。
  • まず、拍子とか音符の長さとかが算数的ですよね。それに、楽器演奏時の手や指(と足、吹奏楽器なら唇や舌)の動きやタイミングの合わせ方も算数パズルっぽい(笑)。
  • 音の高さ(ピッチ)で言えば、純正律はまだ分数(算数)の範囲に収まっていますが、平均律は指数・対数(数学)の世界へようこそ!です。
  • オーディオ機器(マイク・アンプ・スピーカ等)が電気部品のカタマリで、非常に理系の世界です。エレキギターはまだシンプルな方ですが(でも木材や部品の組み合わせも考えるとカナリ奥が深い)、電気ピアノやアナログ・シンセサイザなんて電気部品が何千個使われてんのよ?な世界(部品点数で言えば万単位じゃないかな?)。電子ピアノやデジタル・シンセサイザは音楽演奏専用の高性能コンピュータですよね。
  • デジタル信号処理(DSP)の世界に入ると、周波数領域だとか時間領域だとか、フーリエ変換・逆フーリエ変換も出てくる、さらに難しい数学の世界です(実数と虚数の複素数ぐるぐるの世界)。ボーカロイドなんかは、この中でも非常に高度な処理をやっている…らしいですが、理系アタマ(の筈)のワタシにももう殆ど理解出来ません(笑)。
昔から音楽と理数科目との得意/不得意の相関性が高いことについては、色々なことが言われてきました。が、感性の部分も重要ですよね。そこは、理系・文系に分けること自体、全く意味が無さそう…(笑)。

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以下本末転倒:

冒頭にキーストローク数が…と書きましたが、本記事はテキストベースで7KB少々。日本語にして3,500文字、キーストローク数は合計8,000~1万といったトコロでしょうか。週末に気紛れに書いている文章ですし(平日にもネタになりそうな話があると時々書き貯めています)、ハーモニクスを使ったチューニングの箇所などは昔書き掛けて放置していたものを再利用+最低限の修正で済ませています(絵もギター仲間の為にハーモニクスによるチューニングの手順を説明するために描いたもので、フレットの間隔が比較的正確とか凝った絵ですケド(笑)、描いたのは数年前)。…という訳で、実作業は大した量でもなかったりします(笑)。この程度なら、腱鞘炎を悪化させることは無いでしょう。そういうことにさせておいてください。

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