2016年9月10日土曜日

Apple Special Event, September 2016 雑感

Apple Special Event, September 2016 (2016/09/07、日本時間09/08)の動画Podcast (Videocast)が配信されたので、早速観てみました。

約2時間の動画なので、DLされた動画ファイルをQuickTimeで直接開いて倍速再生です。Tim Cook氏を始めとした各プレゼンターは発音がキレイな人が多く、倍速でもソコソコ聞き取れますし、映像/文字だけでも充分理解できる構成になっています。…って本当は、何度も巻き戻し・早送りをして(ビデオテープ時代のアナログ表現/笑)プレゼンを確認・再確認しながら観たので、結局バッチリ2時間掛かってしまいました(笑)。

◆iPhone 7 / 7 plus
かねて噂されていた通り(毎年9月の定例行事?として)新iPhone (7 & 7 plus)が発表されました。
  • 防塵・防水性能ようやく他社製スマホ(の防塵・防水タイプ)に追いつきました。防塵・防水等級はIP67(=IP6X/IPX7)。
  • 耐衝撃性…これはiPhone 6の頃と変わらないと思います(要するに画面が割れやすい)。iPhone 6/6sから引き続き、ディスプレイの縁部分のガラスが丸く面取りされた形状。落とした時などに、ガラス部分が当たる→割れる、の確率が高い形状です。
    • そう言えば、7~8月にApple Store銀座に行った時、スタッフさんの中に、iPhone 6s/6s plusの画面が割れたのをそのまま使っている人が何人かいたな~。修理/交換せずに使っていたのは、このiPhone 7待ちだったのかも知れません。
    • Apple Store銀座のスタッフさん曰く、iPhone等のデバイスの画面や本体に傷がついたりするのは「当たり前」のことで、ケースやカバーを一緒に買うのは日本人特有の傾向らしいです。
  • iPhone 7 plusのデュアルカメラによる高機能化(解像度、シャッタースピード、明るさのダイナミクスレンジ、ズーム10x等々)が強調されていました。特記事項は、カメラの焦点深度をソフトウェア的にいじれるようになったことで、被写界深度を深くしたり、特定の被写体のみにフォーカスしたりが出来るようになった点(一眼レフでは出来る物が多いけどコンデジでは普通はできない)。コンデジは勿論、一眼レフの市場も喰う勢いです。
  • 内蔵スピーカーの高性能化:ステレオ再生(横向きに置いた時)、音量2倍。ちょっとしたBGM用としては、外付けスピーカ不要っぽいです。
  • イヤフォンジャックが無くなりました(これも噂通り)。Appleとしては、無線イヤフォン/マイクのAirPods (後述)を使うことを前提に考えているようですが、Bluetoothヘッドフォンは従来通りに使えるようです。また、有線接続が出来なくなった訳ではなく、Lightningに接続可能なようです(Apple純正のLightning接続型EarPodsの他、サードパーティ品も出るようです)。さらに、Lightning→φ3.5mm 4端子変換アダプタも出ているようです(ちょっとゴツくなりますが、従来型ステレオ/マイク/コントローラ付イヤフォン/ヘッドフォンが使えます)
  • FeliCa搭載(某ページによると「日本国内で発売されるモデル限定の仕様」らしいですが)。日本のSuicaに対応(ということはPASMO、ICOCA等も対応すると考えて良いでしょう;「おサイフケータイ」になるかどうかは未確認)。Suica/PASMO/ICOCAとは言ってもカード型ではないから、駅の券売機ではチャージできそうにありませんね。決済方法も変わるのでしょう(Apple Pay経由でクレジットカード決済というところでしょうか)
これ、出るのがあと1年早かったら、ワタシはiPhoneユーザになっていたかも知れません(去年12月に機種変したばかり、来年迄はこのまま使い続けるツモリ)。が、冷静に考えるとiPhone 7は耐衝撃性が低そうなので、導入は見送りだったかもです。ちなみに今使っているスマホは(と書いている位ですからiPhoneでない物です)、サイクリング等アウトドアでの緊急連絡手段として用をなす物。つまり、防塵・防水等級IP67 (=IP6X/IPX7)の他、耐衝撃性も強い物です(事故時にスマホが壊れて救急車も呼べない…なんて洒落になりませんので)

◆Apple Watch (Series 2)
今回のSpecial Eventの3カ月前、6/13(日本時間6/14)に開催されたWWDC 2016 Keynote Addressで、iPhoneだけでなくMacも使い易くするデバイスとしてApple Watchが強く売り込まれていました(iPhone + Apple Watch + Mac (+iPod)の統合環境でユーザ囲い込み運動展開中のようです)。ここでWatchをさんざん売り込んでおいて、3カ月後のApple Special Eventで、2代目が発表です(「2nd generation」ではなく、「Series 2」と表現されていました)

特記事項は以下の通り。
  • 防水仕様(耐圧水深50m)になりました。ちょっとビックリなのが、スピーカーの耐水性能。水没時には筐体内・ダイヤフラム(振動板)外面の所まで水が入り、水から上がった時にスピーカーの振動で水を掻き出す構造のようです。初代Watchと比較して、ダイヤフラム周囲の共鳴空間は小さくなっているようです。振動部の機構自体が丈夫に作られている筈で、音質がどうなっているのかが気になるところです。
  • FeliCa搭載(Suica、PASMO、ICOCA他:iPhone 7と同じ)
    • あれれ、FeliCa (Suica、ICOCA、PASMO等)って、クレジットカードと同じサイズのカードの外周部近くにアンテナ入れて改札機等と非接触近接通信しているんじゃなかったっけ? Apple Watchのサイズの中にどうやってアンテナ入れているんだろ?
  • その他、エルメスのデザイン(バンド)や、ナイキとのコラボ品(アスリート向け)なども発表されていました。
ワタシ個人はMacは使っているけどiPhone使っていないから、Watchを買うメリットあまり無いな…です。でも、新Watchの分解調査は是非やってみたい(笑)。

あともうひとつ。苦言を呈させて頂きます:ナイキとのコラボ品のプレゼンの時、イヤフォンを付けたまま走るアスリートの写真が多用されていました。でも、公道を走る時にイヤフォンで“耳栓”するのは危ないですよ! 自転車やオートバイに乗る時に使うなんて以ての外(…とは思うのですが、耳栓してチャリンコ乗っている人やジョギングしている人、よく見掛けますね…どうしたモンでしょうか)

◆AirPods (ワイヤレスイヤフォン、マイク/コントローラ付)
今回のApple Special Eventで発表されたデバイスの中で、ワタシの食指を動かしたのは、実はコレです。だからAirPodsだけ写真を載せちゃいます。

AirPodsはこんな形(本商品にiPhoneは付属しません)。
※写真:Apple公式ページより

形状で言えば、EarPodsのワイヤレス型(イヤーピースの外側の「棒」がちょっと太くて長め)。配線らしい配線はバッサリ無くなっています(思い切ったデザインだな~)。このイヤーピース外側の「棒」の部分に、バッテリーとアンテナとマイクが内蔵されているようです。連続使用時間(公称値) 5時間。USB充電型のBluetoothイヤフォンと同じくらい、充分「使い物」になります。充電用ケース自体がバッテリーを内蔵していて、AirPodsを時々ケースに入れることで最長24時間使えるそうです(長時間使う時はこの充電用ケースも持ち歩く必要があります)

本体・ケース・Lightningケーブル
どうやらUSB-ACアダプタは付属しないようです。
iOSデバイスオーナなら持っているでしょうけど。
※写真:Apple公式ページより

このAirPodsの面白いところは、近接センサ&光センサを内蔵していて、
  1. 装着されているか否かを自動的に判断される。耳につけると自動的に接続、耳から外すと自動的に一時停止(すげー!)。
  2. イヤフォンにタップすることで、デバイスのSiriに話しかけたりすることが出来る。
つまり、iPhoneを鞄に入れたままでもAirPodsをタップするだけで(とデバイス側のSiriを使って)色々なことが出来るということです(電話を受ける・音楽を聴く…の他は、画面を見ながらになるでしょうけど)。また、iPhoneだけでなくMacやApple Watchともペアリングできるらしいので、イヤフォンプラグの差し替え無しで複数のデバイスを「渡り歩く」ような使い方が出来るようです。

デバイス切替えはどうやるんだろう?
※写真:Apple公式ページより

「シームレス」がどの程度のものかも気になりますが(Macで音楽を聴いている時にiPhoneに電話が来たらどうなる?とか、iPhoneとApple Watchを組合せて使っている時AirPodsはどちらとペアリングされる?とか)、他にもチョット気になる点があります:
  • どう考えても耳から外れやすい形状
  • iOS 10以上にしか対応していない
後者については、次項に書きます。

前者。現行品のEarPods (有線式)、身体を動かしている時などに耳から外れることがあります。AirPodsもイヤーピース部の形状はほぼ同じなので、たぶん外れやすいでしょう。ワタシに限った話かもですが、EarPodsに(SONYとかPanasonicとかのメジャーなイヤフォン用の)スポンジ製カバーを付けることで多少外れにくくはなります。でも、音質がモコモコになるとか、近接センサ等の動作に支障が出ることも懸念されるとか、出来ればスポンジ製カバーは使いたくないです。

イヤーピースを耳に固定するタイプとしては、以下のようなものがあります。こういったイヤフォンがワイヤレスでタップ機能まで付いていれば「即買い」なんですけどね。
  1. 耳朶の内側に引っ掛ける構造
    例:BOSEのカナル型(公式ページ)、Beats by Dr.Dre Tour2 (Amazon)
  2. 耳掛け(イヤーフック)構造
    例:Bang & Olfusen Earset 3i (Amazon)、Creative Aurvana Air EP-AVNAIR (Amazon)
  • 本論に関係無いですが、映画『マイノリティー・リポート』(2002)に出てくる携帯電話は、Bang & Olfusen Earset 3i (の2001~02年頃のモデル)からワイヤ切り落とした形(しかも片耳のみ)でした。
  • さらに本論から関係無いですが、Bluetooth (2.4GHz帯)は通信波長約12cm、アンテナに必要な最低長は1/4波長で約3cmです。高誘電率材料を使えば8mm程度まで縮めることが出来るようですが、高利得・広帯域・無指向性を実現しようとすると、今の技術ではφ3mm×L10mm程度のサイズは必要なようです。AirPodsでは、これとバッテリーとマイクをイヤーピースから突きだした「棒」の中に詰め込んでいるのでしょう(ダイヤフラム(振動板)とプロセサとセンサ類はイヤピースの中)。すげー集積度だな。
ちなみにAirPodsの予価は16,800円とのこと。大人の小遣いで買える価格設定なのがニクイな~。

◆iOS 10対応デバイス
Apple WWDC 2016 Keynote Address (2016/06/13、日本時間06/14)で発表されたiOS 10ですが、このイベントを受けて書かれた解説サイト<http://ios10guide.com/ios-10-compatibility-which-devices-support-ios-10/>(2016/06/13)には、対応デバイスが以下のように書かれていたので、iPod touch 5th genでiOS 10 (特にAirPods)を使えると思っていました。
  • iPhone … 4s~
  • iPad … iPad 2~4th gen, iPad mini 全世代、iPad Air/2, iPad Pro
  • iPod touch … 5th gen~
が、よく読むと、上記ページの筆者が勝手にiOS 10が載るだろうと考えたデバイスをリスト化した物に過ぎず、Appleの公式情報では全然無かったようです(変な期待を持たせるなよ~!/怨)

今回のApple Special Eventを観た後、Apple公式ページ<http://www.apple.com/jp/ios/ios-10/>で改めてiOS対応デバイスを確認しました。その結果は以下の通り:
  • iPhone … 5~
  • iPad … iPad 4th gen、iPad mini 2~4、iPad Air/2、iPad Pro (9.7in/12.9in)
  • iPod touch … 6th gen~
要するに、(上のリストにあるデバイスのうち) iPhone 4s、iPad 2 & 3th gen、iPad mini (初代)、iPod touch 5th genはサポート外ということ。ワタシの手持ちのiPod touchは5th genなので、iOS 10非対応(ちょっと、否、かなりガッカリです)。という訳で、AirPods買った場合、ワタシの手持ちのデバイスで使えるのは
  • iPad Pro (9.7インチ、iOS 10にアップデートした後)
  • iMac (macOS Sierraにアップデートした後)
ダケになり、ワイヤレス・イヤフォン(AirPods)を使いたくなる機会激減。と言っても、touch 6th genを買う余力もありません(先月iPad Proを買ったばかりで財布が軽い!/苦笑)

一気にAirPods買う気が3dBダウンです(フツーの日本語で言えば「半減」の意味)

◆まとめ
  • iPhone … スマホには“2年縛り”があるので、来年までは買わないでしょう。ワタシの機種変タイミングと合わなかったということで…。
  • Apple Watch … iPhoneが無いので、買うメリットがあまり無いです。
  • AirPods … iPad Pro (9.7インチ)のiOSが9.3.5(現行)から10にアップデートされてから、AirPodsを試してみるかどうか改めて考えることにします。
iOS 10を“The biggest iOS release ever”と表現した大々的な発表でした。が、ワタシの手持ちのデバイスでは対応品がiPad Proだけということで、あまり物欲を刺激されないプレゼンテーションでした。…とか言いながら、来月あたりAirPods買っていたりするかも知れません(笑/その時は改めてレポートさせて下さい)

ちゃんちゃん。

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