ピックガード何度も付けたり外したりするとギターボディ(木材)を傷めそうだったので、マスキングテープでピックガードを固定しての何度ものテスト。あと、ネットで情報検索。山ほどやりました。
で、結局、Fender社様公式の回路図を見つけたことは昨日書きましたが(実は、その前に解析した人のページを見つけてトラブルは解決出来ていました…って権利的に「どうなのかな?」のページだったのでその旨書きにくかったのですよ/苦笑)。で、今回、問題解決したトコロで、ピックガードの蓋を閉めるまで(否、バックプレートもジャックも外して配線の色やら確認しまくりでした/笑)、ついでに見られる場所は全部見よう!ということに。色々工夫されているトコロを確認しましたよ♪ EC UDST (2001年製)はもう丸裸も同然…?
※電気回路やその構成方法に関する著作権がどうなっているのか詳しくはよく知らないんですけど、ギター内部って実際に見る機会を与えられた人(オーナーやリペアマン)しか目に出来ない部分で、ある意味ノウハウの塊ですよね。しかも、モデル毎に色々な工夫や知恵が注ぎ込まれている。だから、ワタシは(公になっている物を紹介する他は)ギター内部について濃ゆい話を書くつもりはありませんし、回路図とかも(自分用のは作っていますが)たぶんごく親しいギター仲間(ギタオタ仲間?)以外には見せないと思います。それがワタシの血となり肉となるから。リペアマンさんと会話すると、それぞれの方の得意分野って判りますよね(それって多分それまでの御本人の経験がそうさせているのだと思います)。で、話を戻しますが、現物をデッドコピーされるだけでもメーカーさんは大変な思いをしているのに、ネット上の情報とかだけでコピー品が作られてしまう時代が出てはイケナイとワタシは思っています…まぁネット上の情報は玉石混交だから、それを信じる・信じないは人それぞれなんですけどね、物事が悪い方に動くのにはあまり加担したくないなぁ、みたいな。
※あ、でも外から見えちゃう部分についてはアグレッシブに書いちゃいますけどね(極端な話、店先でゲージ当てちゃうのは不可能じゃないし、…ワタシも店員さんに御許可を頂いて(←これちゃんと主張させて頂きますね/笑)売り物のギターにゲージ当てさせて貰ったことはありますよ)。お、今思いついた。よくホームセンターとかDIYショップによく置いてある使い捨ての紙製のゲージありますよね。アレ(出来ればミリとインチの入ったやつ)を楽器屋さんにも置いたらウケるんじゃないのかな? お店の売上げに繋がるかは甚だ疑問ですが(苦笑)、お客さんにも眼力を鍛えてもらう!みたいな。…やっぱダメっぽいか(溜息)。
■頭良いなあ!①クルーソンタイプのペグ
ピックガードを付けたり外したり何度も繰り返している時、同じ弦を何度も再利用する訳ですが、クルーソンタイプのペグを考えた人は偉いなぁ、とつくづく思いました。
クルーソンタイプのペグ(マシンヘッド)の表側。
写真が黄色い? カメラのフラッシュが強すぎて、マスキングテープで半分以上塞いだからです。
クルーソンタイプのペグでは、弦を交換する時、弦を張る前に適切な長さに切っておく必要はありますが、弦先端を溝中央の孔に差し込んでから「の」の字を描くように弦を巻き付けて行くので、弦に「の」の字の形の巻癖がつきます。が、この「の」の字は何度も使えます。丁寧に扱えば(2度目以降若干弦に捻じれは生じてしまうものの)何度も巻き直すことが出来ます。
クルーソンタイプのペグに巻き付けた弦のペグポスト付近の巻き癖
クルーソンタイプは溝中央の孔にソレナリの長さ(15mm程度)の弦を差し込むので、巻く際に充分な摩擦を得ることが出来ます。グローバータイプのペグの場合、ペグポストを通した弦の余長は、巻き上げ後に大抵切ってしまうので、一旦弦を完全に緩めてしまうと、摩擦力が弱まってしまうことがあります。
グローバータイプのペグ
(埃高きギターの写真などでスマヌ、…最近ST、TLばっかり弾いてるんで…。)
弦の端の折り曲げ部分と弦が引っ掛かっている部分は5~6mm程度しか離れていません。特にプレーン弦(エレキギターの場合は1~3弦)では滑ってしまい、摩擦力が弱まってしまう、つまり弦を再利用できないことがあります(弦を何度も使う人向け?に摩擦力を向上させる弦の巻き方、というかもう「絡ませ方」ですね、が20年以上前流行っていたことがありましたが、最近やっている人を見なくなりましたよね)。
という訳で。今回の、弦を張っては緩め、緩めては張って、の波状攻撃には、クルーソンタイプのペグ(マシンヘッド)が本当に役立ちました。
まぁ弦なんか張らなくても、音叉とかの磁性体を振動させた状態でPUに近づけて動作確認するという原始的な手もありますけどね(最近音叉使っている人って全然見なくなったよなー、やっぱりクリップ式のチューナーが安価で手に入るようになったからでしょうかねぇ)。
■頭良いなあ!②アクティブ回路
世の中にアクティブPUは数多あれど、パッシブPU(FLSやNoiseless PUもパッシブ)の後段にプリアンプ回路を持たせると、あたかもアクティブPUのように使うことが出来ます。
しかも、都合が良いことに、Stratocasterって、Toneノブが2個あり、普通のストラスでは、フロント側とリア側で(センターPUは好みの側に添えて)使い分けます。が、このToneノブ1個を全PU共通にして(EC UDSTではToneというかTBXですけど)、もう1個のToneノブをプリアンプ(Mid Boost)のコントローラにすることが出来ます。
※Telecaster(通常はノブ2個でVolume+Tone)で無茶して使っている人も探すと結構いらっしゃるようですけどね。
まぁ、Mid Boostの回路自体は天下のFender社様が堂々と売っている位なので、ギターのボディ内に収める算段さえつけば(後付けの場合は大抵キャビティ追加の加工が必要になるので、本気の人かEC UDSTのリストアする人位でしょうけど)、とりあえず誰でも使うことが出来ます。
ご興味のある方はこちらへ。「Stratocaster(R) Mid Boost Kit」<http://www.fender.com/guitar-bass-parts/electronics/stratocaster-mid-boost-upgrade-kit/>。これを使えば、Clapton師匠のギターみたいなMid Boost回路を後付することが出来ます。「だったらEC UDST買っちゃえよ!」みたいな話なのですが、違うPUで同じようなことをやってみたり、後から色々といじくるのがまた楽しいんですよね。
まぁ、今回はギター本体の部品接続状況(とその正しさ)の確認がメインだったので、Mid Boosterの回路の解析はまた後回しでも構わないでしょう。回路図はネット上に大量に出回っているようですし(これまた色々な物が見当たるのですが、Fender社が製造時期によって回路構成や素子定数を変えている可能性も否定出来ません)。なので、今回はこれ以上追求しなくても良いでしょう。この辺りは以前「新品が無いなら自分で作っちゃえ!プロジェクト始動?」(言い出してから2ヵ月以上経つんですね)で、こんなページを紹介しましたっけ。
■頭良いなあ!③ジャック挿入検出機能付ジャック
実は今回色々いじくっている時に、一番「単純だけど頭良いなあ!」と思ったのが、上記の「Stratocaster(R) Mid Boost Kit」にも入っている、プラグが差さっている時「だけ」SWをONに出来るプラグです。
3芯のジャック。プラグが入っていない状態。
3芯のジャック。プラグが入った状態。
プラグ挿入検出機能付ジャック
※特許出願書類の出来損ないみたいな絵なのは笑って許して…。
通常の標準プラグのジャックは2端子ですが、コレは3端子になっています。プラグが差さっていない時は導体A1とA2は絶縁されていますが、プラグを差した時だけ、プラグの側面(Gnd側)を通してA1とA2が導通されます。この仕組みによって、(A1/A2に直接電源を繋いでも良いし、リレーを挟んでも良いでしょう)プラグが差さっている時だけ限定でアクティブ回路の電源をONに出来るのです(その上で、プラグ側面=A1 or A2をGnd接続し、プラグ先端=A3をHotに接続する、と)。
拙い絵ですが、これ見てから上の写真見ると作りが解るような気がしませんか?
EC UDSTを買った当初、プラグを差しっぱなしだと数週間でMid Booster用の電池(006P)が切れてしまうことを経験的に知り、弾く時以外はプラグを抜くようになりました(これで何ヶ月も電池が持つようになりました)。ちゃんと調べるだけの知識も度胸も無かったので、当時は中味は確認しませんでしたけど、こうなっていたんですね。
んで。このジャック、完全な受動素子でありながら、ちゃんとプラグの抜き差しを検出→アクティブ回路のON/OFF切り替えが出来るというのがスグレモノです。2端子から3端子にするだけでアクティブ回路をON/OFFするSWを付けられる。しかも、受動素子として(プラグの検出自体にはまったく電力を消費しない)。
カタチにしてしまえば単純なアイディアなんだけど、これ考えた人ってすごく頭良いんだろうなあ!って。
他人の英知の結晶に触れるのって、楽しいですよね♪
昨日から書きためていたのですが、かなり濃ゆい話を書いてしまいました。
では、また! 次回はどんなネタにしようかな?
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